2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「木々を渡る風」 2002年 小塩 節著

ドイツ文学者で著名な小塩氏が、ドイツを中心にヨーロッパを木々に結び付けて、深くておもしろい紹介をしてくれます。例えば、古都ハイデルベルクはローマ軍の駐屯地でドイツでも最古を誇る大学町ですが、あまりにも美しいので対戦中に連合国は一発の爆弾も…

「広島第二県女二年西組」 1988年 関千枝子著

副題が「原爆で死んだ旧友たち」で、爆心地から南に1.1kmのところに、広島第二県女二年西組が建物疎開作業のために動員されていました。参加したのは教師3名、生徒29名で、生徒の平均年齢は14歳、28名が原爆投下の8月6日から20日の間までに死亡しました。こ…

「司馬遼太郎で学ぶ日本史」

「司馬遼太郎で学ぶ日本史」磯田道史著 2017年5月 司馬氏の作品はあくまで文学であって歴史そのものではなく、日本史を知るためには、なぜこういうことを書いたのか、そこにどういう史実のつながりがあるのかを補って読む必要があるとのことです。 司馬さんは…

「生き方」

2004年 稲盛和夫著による「生き方」です。ここまで透明に無心で頑張れるかは自信ありませんが、大きなことを考えるのではなく、毎日を人間として正しいと思ったことを行って努力しなさいと受け取りました。 「人間は何のために生きるのか?生きる意味や価値…

「銃を持つ民主主義」

近代民主主義の発祥地であるアメリカは、銃による殺人事件が後を絶ちません。その「銃を持つ民主主義」背景を、アメリカという国ができた経緯にまで遡ります。アメリカの民主主義が約4世紀も前のイギリスの過激分子であったピューリタン革命に起源を持っている…

里山資本主義

「里山資本主義」2013年藻谷浩介著 人々はマネー資本主義の先行きに対して、そのシステムが機能停止した時にどうしていいのかわからないから根源的な不安を抱いている。対処できるバックアップシステムが存在してないところから不安が来ているのだ。里山資本…

渡邊カリー

今晩は西梅田の渡邊カリー(食べログ3.6)に挑戦です。大阪駅前第三ビルの交差点挟んだ斜向かい、雑居ビルの三階で、綺麗な洋食屋風のお店です。 お勧めのプレミアムポークカツカレー1650円注文しました。500円高い分だけ高品質なトンカツが多すぎるくらいのっ…

「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」のその後

日本電産の永守会長による「人を動かす人になれ」を読んだのは2002年でした。「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」のモーレツが有名な会社です。創業時の「松下電産を上回る会社になるので日本電産と名付ける」という大言壮語を実現しました。 それで終わ…

奇跡のみかん農園

「奇跡のみかん農園」2016年3月 著者は30年前にお父さんのみかん農園を継ぎ、安全で美味しい果物や生搾りジュースでお客様を喜ばせ食の常識を変えることを目標にすえ、化学肥料や農薬を使わずに糖度の高い(甘い)みかんを作り始めました。口コミで増えたみ…

大久保「魯珈カレー」

大久保の「魯珈カレー」で850円のチキンとラムの相がけカレー食べました。食べログの評価は3.92ととてつもなく高いです。しかし、並んでるのもおっさんで、出てくる客もおっさんばかり!私的には入りやすくていいのですがいやな予感します。20分で入れてチキ…

「森と文明の物語」

かつて、古代の人々は森に囲まれて生活していました。現在はほとんど砂漠のイメージのある中東でも、かつては樹齢6000年以上のレバノンスギが聳えていました。これはマツの仲間の針葉樹で、樹高は30m以上に達し、材質はたいへん硬くかつ腐りにくいので、船…

「ルネサンスとは何であったのか」塩野七生

ルネサンスと言えば、レオナルドダヴィンチやミケランジェロなどの芸術家に目がいきますが、それよりも大きな視野で文明の歴史的転換点であったことが勉強になります。 それまでの一千年間、天国は信じるものによってのみ開かれているというキリスト教の価値…

「失敗の本質」

「失敗の本質」1991年8月10日 企業経営者や管理職はほとんどの人が読んでいる本です。太平洋戦争の敗因を感情論ではなく、科学的に分析したもので、これは現在の日本の組織にまだしつこく残っている問題として捉えなければならない面があります。昭和14年の…

「パリのカフェをつくった人々」1990~92年取材

カフェというのは、コーヒーをはじめとするさまざまなソフトドリンクのほか、ビールやワインなどの酒類も飲むことができ、サンドイッチなどの軽いスナックなら一日中いつでも注文を受け付け、食事時には簡単な定食を用意することもある、喫茶店と食堂と居酒…

阪急三番街インディアンカレー

いつも大行列の阪急三番街にあるインディアンカレー750円にようやくありつけました。 今日は食券買って二三人待ちですぐにすわれ、あっという間にインディアンカレーが出てきます。 一口、旨い!あま~くて、後からジワジワ辛さが口の中に広がってきます。ご…

「病院で死ぬということ」

平成2年に、文集文庫より出された本です。当時は終末期医療についてのことがあまりよく周知されておらず、どうしても無駄な延命治療などが行われてしまうような状況にあったことを、医療現場からの視点でとらえたものです。山崎医師は、終末期を人間らしく過…

「ミラノの太陽シチリアの月」内田洋子

「ジーノの家」に感嘆し、続いて読んだ二冊目ですが、やはりこの人の文章はすごい。何気なく書きはじめからどんどん取り込まれていき、登場人物や風景がみずみずしく生き生きと読み手の中に膨らんできて、あっという展開で物語が終わります。 解説の田丸久美…

「フランス料理の手帖」

辻静雄氏の本を20年以上ぶりで読みました。 なにせ読み易い!無駄な言葉がなく話がどんどん展開されるからでしょうか。頭脳明晰なことは当然のことながら、元新聞記者だから文章が洗練されているのも当然かもしれません。 解説の丸谷才一氏が言うには、辻静…

「リンゴが教えてくれたこと」木村秋則

十年近い極貧生活を耐えて「奇跡のリンゴ」を成功させ、無農薬栽培を日本のみならず全世界に広めている木村さんの本です。 耕作放棄地が増え、農業の荒廃が進んでいますが、若い人たちが参入できる楽しくて希望のある農業があるとすれば、その一つは木村さん…

讃岐うどん「モリ家」と八十八番結願所

本場の讃岐うどん「モリ家」(食べログ3.63)です。昼前11時過ぎで行列はまだ少なく、15分くらいで入店できました。 妻は名物の780円のかき揚げおろしうどん注文し、私は750円のかき揚げ天ぷらうどん注文しました。 しっかり熟成した讃岐うどんと、デカサイズ…

「魔女の1ダース」米原万里

「魔女の1ダース」米原万理 ロシア語翻訳者でテレビにもコメンテーターとしてよく活躍されてた米原万理さんのエッセイです。大多数の人々にとっては、自己や自民族中心に世界は回っているので、それは良し悪しで決められることではなく、相手の身になって考…

「冒険投資家ジムロジャーズ世界バイク紀行」

ジョージ・ソロスとヘッジファンドを立ち上げたウォール街の伝説の投資家が、1990年にバイクで六大陸を旅して、それぞれのお国柄を肌で実感しながら、投資のチャンスがどこにあるかを鋭い視点で分析していきます。 「できる限りこの世界の現実を見ることだ。…

「ジーノの家」内田洋子

日本エッセイストクラブ賞と講談社エッセイ賞を平成23年ダブル受賞した初めての作品で、作品の持つ広がりと奥行を如実に示しています。筆者は1959年神戸生まれで、東京外大イタリア語学科を卒業し、イタリア在住30年余というジャーナリストです。イタリア10…

「アフリカポレポレ」岩合日出子

動物写真家で有名な岩合光昭氏(ずぶ濡れのチータの親子や、シマウマを狩るライオン、ヌーの大移動など、動物写真史に残るような傑作を撮った写真家)が、アフリカタンザニアにヌーの大移動の写真を撮りに行くときに、奥さんと子供さんが一緒について行き、…