#練習用

「狂気のモザイク」1982年ロバート・ラドラム著

とにかく面白い!文庫本上下2冊で1000ページを超す長編ですが、どんどんストーリーが展開してまったく飽きることなくひき込まれていきます。ラドラムはニューヨーク出身で、舞台活動・劇場主を経て、40歳の時にすべてを投げうって作家業に転身しましたが、19…

天神橋六丁目界隈のラーメン有名店など

まずは天神橋六丁目の「群青」です。 6人ほどが店外に並んでいましたが、さほど時間かからないだろうと甘く見ていました。しかし、最近の猛暑、炎天下で待つこと1時間。 「雨劇」というラーメンで、かつおだしが利いて深い味わいでおいしいです。ただ、お兄…

「ヨーロッパぶらりぶらり」1994年9月21日 山下清

裸の大将の目に映ったヨーロッパはどのようなものだったでしょうか。美しい細密画と訥々とした文章で綴られるほのぼの紀行です。 ヨーロッパへの飛行機の中で、キャビンアテンダントに対して、「おばさん、おばさん、この飛行機はジェット機で、普通の飛行機…

「ヒトという生き物」 2003年12月15日 柳澤嘉一郎

生物学者の目から見たヒト社会の話で、生物としてのヒトの宿命と性質を考え、過密社会がもたらすもの、戦争の起源、睡眠と記憶の不思議、階級性など、ヒトという生き物はなんと悲しい、なんと不条理な生物なのだろうと悩み考え続けます。 ヒトには、人口の増…

「経済学で現代社会を読む」1995年2月20日

ロジャー・レロイ・ミラー、ダニエル・K・ベンジャミン、ダグラス・C・ノース著 赤羽隆夫訳 日経新聞 本書の原題をそのまま訳せば「公共的争点の経済学」で「応用経済学」の分野に属するが、経済学の入門編から応用実践論まで読者に一編に学ばせてくれる極めて…

「新説・明治維新」

「新説・明治維新」 2016年4月1日 西鋭夫著 私たち日本人は、何かを追求する時にすぐ妥協して、「これでいいだろう」「まあ、いいや」と考える癖がついてしまっているのではないか、それで誰も責任を取らないと警鐘を鳴らしています。 イギリスでは、1750年ご…

「コスモポリタンズ」1994年12月5日モーム7著 瀧口直太郎訳

1886年創刊のアメリカの月刊雑誌「コスモポリタン」に掲載された作品で、1936年にまとめて刊行されたモームの短編小説集です。当時の雑誌の事情から左右見開き2ページに収まる長さに作られなければならなかった、いわばショートショートストーリーのはしりとで…

「アシェンデン」1994年12月5日モーム著河野一郎訳

第一次大戦時にモーム自身が英国の秘密諜報員としてスイスに派遣され、ジュネーブを根城に各国スパイに立ち混じって活躍した時の経験が骨子となった小説です。モーム自身も、どこまでが実際の体験で、どこからが作り話かすでにわからなくなっていると述懐し…

神戸食べ歩き6月29日~7月8日神戸食べ歩き

またまたカリカリのバゲット食べたくて「ヨムパン」サンドプレートです。今日はサーモンメインのをオーダーしました。600円から800円に値上げされてました。でも私の中の価格パフォーマンスはまだまだ大丈夫です。 次に、兵庫駅の外れにある「みそラーメンさ…

「マネーチェンジャーズ」1978年9月26日アーサー・ヘイリー 永井淳訳

「自動車」「ホテル」「エネルギー」「ストロングメディスン」などを書いたアーサー・ヘイリーの企業小説です。特別なスーパーヒーローが出てきて問題を解決したり推理小説でもないのに、どんどん話に引き込まれ、面白くてあっという間に読んでしまうような…

「月と六ペンス」1959年9月25日モーム著 中野好夫訳

30年近く前に知人から最もお勧めと教えられて読んだ本で、非常に面白いという印象が残っている本です。翻訳した中野好夫氏による解説では、モームがジュネーブでの諜報機関の激務に健康を害して、1918年スコットランでのサナトリウムで静養中に書き上げられ…

「チベット高原自転車ひとり旅」1989.11.10九里徳泰

1986年からチベットを自転車で横断してカイラス山に行った冒険記です。 ラサを8月1日に出発して、最初の町シガツェへ4500m以上の峠をいくつも越えていきますが、酸素が薄くて頭痛はひどくなり、息も肺が痛くなるくらいゼーゼーする。目指す峠がすぐそこまで…

「アブラコの朝」

1995年6月20日著 ほのぼのとしたマンガを描く“はた万次郎”氏が、東京から30歳の時に北海道の下川町に移住するお話です。筆者は私と同い年で、私がバブル前後の大きな渦に巻き込まれている時、このような北海道の自然の中で犬と暮らすような夢を実現したこと…

「遥かなヨーロッパ」 1981年2月20日 柴田俊治著

若い子たちが軽い気持ちでヨーロッパに語学留学に来て「ここで何をしてるの?」と聞いても、「いえ、べつに。フランス語かな。なにかあるかなと思うだけで。」と答える。しかし、軽い気持ちで出てきたものには、やはり軽い結果しか与えられない。言葉はなに…

今週の食べ歩き(神戸のスタバは好ロケーション)

今週もいろいろ行きました。 土曜日昼前のモザイク「スタバ」はまだお客さんも少なく、窓越しにポートタワーが望める贅沢空間です! ここでいつものように読書三昧。外はまた好転で観光客が増えそうです。 昼は花隈の「ヨムパン」でサンドプレート600円食…

「ブリューゲルへの旅」2004年5月10日 中野孝次著

ブリューゲルの絵画には、中世の民芸風の景色にたくさんの建物や人物が登場して、一見、おもちゃの世界のようで子供心をくすぐられます。有名なバベルの塔もそうです。しかし、実はそのような楽しい絵本の中のおとぎの世界が描かれているのはなかったのです…

「日本は世界5位の農業大国」 2010年2月20日 浅川芳裕

世界の穀物生産量の推移を見ると、1961年の約9億トンから2007年には24億トンまで増え、一人当たり年間358kgもあり、日本人一人当たりの年間コメ消費量約65kg、小麦約40kgの合計100kg強と比べても3倍以上が生産されており、食糧危機が杞憂であることがわかる。…

「聖書~その歴史的真実」 昭和51年4月20日 新井智著

キリストとは救世主(メシア)のギリシア語訳である。つまり、イエス・キリストは固有名詞ではなく、「イエスは救い主」であるという意味であった。聖書の福音書の話は、たとえば5千人の人たちを5つのパンと2匹の魚で満腹させたり、海の上を歩いたりするのは…

「ロッダグループ」食べログ3.84でスリランカカレー

スリランカカレーを食べてみました。九条の外れにあり、食べログ評価にしてはお客さんぜんぜん並んでいません。店内もカウンターのみで私一人貸し切り状態で、店主が1800円のシカ肉などののったお勧めカレーを勧めますが、一番安い1200円のポークを…

「荘子」(古代中国実存主義)福永光司著昭和39年3月31日

孔子より約1世紀半遅れの紀元前369年頃~紀元前286年頃、孟子やギリシアのアリストテレスとほぼ同じ時代、中国の戦国時代の宋国の蒙(現在の河南省商丘あるいは安徽省蒙城)に産まれた思想家で、道教の始祖の一人とされる人物です。 その思想は無為自然を基…

「野蛮な読書」2014年10月25日 平松洋子著

「戦場の博物誌」(開高健) 開高健の戦場をテーマに描かれたものは、途中ではけっして止められず、一気呵成に読み通す。開高健自身に突き付けられた匕首の切っ先から目を離せなくなるからだ。しょせん傍観者でしかいられない作者が、何度も戦場の赴いたのはな…

「儒教とは何か」1990年10月25日 加地伸行著

霊の存在を信じ、それをお骨と同一化すること、この感覚を日本人独自の祖霊観、祖霊意識であると答えることはたやすいが、この感覚は決して日本人固有のものではない。世界中の至る所に今も見られるもので、中国にもある。この感覚を掬いあげ、見事に理論化…

6月第2週の神戸パン巡り

再びの「ブランジェリーコムシノワ」でモーニングパンです。 リンゴシュプレーム、カマンベール、ラム酒の利いたバゲット断片のゴソゴソの三個とホットコーヒーで1242円です。 ちょっと高いけど、コーヒーが500円弱とリンゴシュプレームが300円なのが影響し…

6月第1週の神戸食べ歩き

元町旧居留地の「ハオスダイニング」でランチしました。 感じのいい小ブティックの二階にある喫茶です。 私は1000円の生シラス丼頼みました。 妻は季節の混ぜご飯と惣菜盛り合わせ1400円で、豆ご飯の程よい塩加減がなんともいい感じです。私の生シラス丼は健…

「英国大使の博物誌」1993年8月15日 平原毅著

外務省勤務のかたわら、宮内庁でも天皇陛下の通訳も兼務したこともある著者が、ことのほか動物が好きで詳しい陛下にささげた本です。博物誌という表題をもち、いくつかの動物を扱っているのに、写真も挿画も全くないことについては、最近の漫画ブームに対す…

「元町サントス」と「クリオロカフェ」「ブランジェリーコムシノワ」

今朝は老舗喫茶「元町サントス」でモーニングトーストです。 商店街から覗ける一階店舗は、小さめの広さでも老舗喫茶店らしい重厚な内装と、カウンター内には正装のマスターたちが見えていて、少し敷居の高さで気後れします。でも、外から見えていた二階窓際…

「春の数え方」2005年2月1日 日高敏隆

日本を代表する動物行動学者のエッセイです。椎名誠が解説しており、自然科学の専門家としての鋭い分析力を持ち、文章もうまく読みやすい、それでいて視点が学者のそれではなく「人間の視線」で書かれています。また、この本を読んでいると、日本がやみくも…

「元町通り三丁目」と再び「ヨムパン」

「元町通り三丁目」という店でキーマカレー食べました。 650円で小ぶりなお皿で、食欲細った私にはちょうどいい量です。 スパイスの深く利いたキーマカレーで、さして辛い訳ではありませんが、深さを感じる味でした。店のお姉さんがとても気遣い良くて、好印…

「生半可な学者」1996年3月25日 柴田元幸ブログ

東大の先生にしてアメリカ小説の名翻訳家のよる知的で愉快なエッセイです。 名訳詞家の堀内敬三氏による、「私の青空」の一節に、有名な、「狭いながらも楽しいわが家、愛の日影のさすところ、恋しい家こそ、私の青空」という歌詞があります。しかし、原作者…

「背中の記憶」2015年7月15日 長島有里枝

写真家のエッセイですが、その描写力にもすごいものがありますが、作者の 記憶力もすごいです。三歳半に弟が生まれた時のことまでくっきりと描かれているばかりでなく、幼い頃の光景から悪夢の内容や複雑な感情まで記憶されていて、その記憶を美化も露悪も…