「大窪寺から女体山へ」2019年3月5日
さぬき市からコミュニティバスに乗って大窪寺を目指します。平日はどこまで乗っても200円と安いのですが、乗客はおばあさん二人連れだけです。バスは停留所の案内もまったくなく、地元民で勝手がわかっているのが前提か、運転手はどこで降りるのかも聞きもしません。それどころか、道ですれ違ったトラックの運転手と窓越しに「運転手募集しとったみたいやな。行こかな。」と運転手が話し込むありさまで、それほど待遇が悪いのかと心配します。
大窪寺には途中で休憩したり、いろんな場所を遠回りしたりして、1時間ほどで着きました。さっきのおばあさんは降りようとして乗車賃を入れますが、運転手から160円しかないと指摘され、「そうかいの。200円入れたつもりよったけどな。」とすっとぼけます。どうしたらそのような間違いできるのか。確信犯だとしか思えません。
12:05 大窪寺着
天気が良いのですが、平日で参拝客は他に見当たりません。
後ろに岩の高峰がそびえる本堂にお参りして、奥の院から女体山方面に登り始めます。
後ろに岩の高峰がそびえる本堂にお参りして、奥の院から女体山方面に登り始めます。
12:22 奥の院登山口
少し登ると、上の方からものすごいテンション高そうな女性の声がします。デンマークから来た体格のいい女性が下りてきます。人に出会ったのが嬉しくて仕方ないような雰囲気で、How are you?と話しかけられました。どこから来たのか聞いたら、87番長尾寺からだそうで、女体山頂上からの眺めが素晴らしくて感動し、しばらくそこにいたそうです。元気でねとお互い励まして別れましたが、朝からずっと歩いて登ってきて、人気の少ないこの田舎を一人でずっと!遠い世界の果てからこんなところまで来るほど八十八か所は価値があるのかと再確認します。さらに、こんなところに女性一人で来てもまったく危険がない、そのような日本の素晴らしさも再認識しました。
急登ですが、道は整備されていて、30分ほどで頂上林道に出ました。
そこからさらに少し登ると頂上です。
13:02 女体山頂772m
快晴で絶好の日和で高松から東讃岐がすべて見渡せるのですが、もう昼過ぎなので霞がかかってきていて、屋島や五剣山ははるか前方にうっすらと見えるくらいです。位置的にはやはり真正面なので、午前中の空気の澄んだ時間に来た方がいいようです。
時間があるので、この矢筈山系最高峰の矢筈山へ往復することにしました。小さいころに来た時に、矢筈山への道にはツゲの木が左右に連なっていて、雰囲気よさそうで興味そそられたことを思いだしました。
でも現実は、のこぎりの歯のような狭い尾根をアップダウンし、とても気持ちのいい道ではない上に、せっかく着いた頂上は木に囲まれて展望が効かずにがっかりでした。
13:26 矢筈山頂上788m
早々に元来た道を引き返します。
13:45 再び女体山頂
ここからは一気に下っていきます。大窪寺からの登りですれ違った男性が、私のサンダルを見てそれじゃ下れないほど厳しいと心配しましたが、そうでもありませんでした。
頂上の大きな岩が連なる尾根の岩石を降りていくのですが、10分もしないうちに岩場の急降下は終わり、普通の登山道に戻ります。
14:03 林道出合い
頂上までの林道と交差しながら、登山道はまっすぐ降りていきます。
14;12 林道合流14:23 太郎兵衛館分岐ここからは郷里の前山集落ではなく、四国のみちが通じている譲波集落の方へ進みます。14:56 譲波休憩所
集落には捨てられたような古い民家が数軒あるだけで、人気がなくてタイムスリップしたような感じです。
15:21 来栖バス停 さきほどの女体山がはるかかなたにそびえています。
15:28 前山集落 谷あいに棚田が広がっていますが、ここも人の気配がありません。田舎の集落はほんとうに寂れてしまい、いずれもとの自然のままに戻るのでしょう。
前山ダムが見えてきました。もう目的地の道の駅はすぐです。
15:48 道の駅ながお
バスが来るまでに何か買おうと売店に入ります。なかなか興味をそそられるようなものがないのですが、地元の野菜や果物がたくさん並んでいるので、5個入って150円のはっさくを買いました。あとで食べたらプリプリで美味しく、大正解でした。でも、勘定をしようとしたら、歩くのがやっとこさの腰が曲がったおばあちゃんが次のお客さんが来たからと急かされ、のろのろと商品積み上げたレジに戻り、5660円と言われたら、「そんなに買いよったかなぁ」と一つ一つ出して確認しそうで、さらに時間かかりそうで困りました。売店のおばさんが「そうや!花とか買うたきん!」と有無を言わさず会計してくれて助かります。どちらにしてもここは16時で閉店なのです。
時間が止まったような田舎を花粉にまみれて歩いた一日となりました。
17:05 JR志度駅着