「生き方」

イメージ 12004 稲盛和夫著による「生き方」です。ここまで透明に無心で頑張れるかは自信ありませんが、大きなことを考えるのではなく、毎日を人間として正しいと思ったことを行って努力しなさいと受け取りました。
「人間は何のために生きるのか?生きる意味や価値を見出せず、人生の指針を見失っている人が多い。人生の目的は心を高めること、魂を磨くことである。生まれた時よりも少しでもましな人間になる。昨日よりもましな今日であろう、今日よりよき明日であろうと、日々誠実に努める。その弛まぬ作業、地道な営為、つつましき求道に私たちが生きる目的や価値が存在しているのではないだろうか。苦しいことが多くても、その苦は魂を磨くための試練だと考える必要がある。労苦とは己の人間性を鍛えるための絶好のチャンスなのである。試練を「機会」と捉えることができる人、そういう人こそ限られた人生を自分のものとして生きていける。
人格を練り、魂を磨くためには、山にこもって修行するのではなく、むしろ、この俗なる世界で日々懸命に働くことが何より大切である。一つの事に打ち込んできた人はおのずと魂が磨かれていき、厚みある人格を形成していく。一日一日を真剣に生き抜く愚直なまでの生き様を継続することは、平凡な人間もやがて非凡な人間へと変貌させる。
 人生の仕事の結果=考え方×熱意×能力、常に前向きで建設的であること、感謝の心を持ち、皆と一緒に歩もうという協調性を有していること、明るく肯定的であること、善意を持ち、思いやりがあり、優しい心を持っていること、努力を惜しまない、足るを知り、利己的でなく強欲でないこと等がプラス思考をもたらす。

・人生はその人の考えた所産であるから、まず「こうありたい」「こうあるべきだ」と思い、誰よりも強く、身が焦げるほどの熱意を持って願望することが大切である。凄まじいほど思うと、寝ても覚めても四六時中そのことを思い続けて考え抜く。何度も何度も達成への過程を模擬練習、シュミレーションしていると、最初は夢でしかなかった成功への道が見えてきて、次第に現実のものに近づいてくる。

・明日や将来のことで悩むよりも、まずは今日一日を充実させることに力を注いだほうがいい。安易に近道を選ばず、一歩ずつ、一日ずつ懸命、真剣、地道に積み重ねていく。その継続が平凡を非凡に変えていく。
・経営で判断を迫られた時には「人間として何が正しいか」を判断基準にした。「嘘をつくな」「正直であれ」「欲張るな」「人に迷惑をかけるな」「人には親切にせよ」・・、そういう子どもの頃から教わった道徳と守るべき当然のルール、善悪を基準として判断する。
・困難なことにも逃げずに正面切って立ち向かうかどうかで大きな成功を手にするか否かの分かれ道となる。「神が手を差し伸べたくなるまで頑張れ」

・人の上に立つものには才覚よりも人格が問われる。  ①誰にも負けない努力、人より多く研鑽する。

 ②謙虚にして驕らない

 ③自省自戒ある日々を送る

 ④生きていることに感謝する

  善行、利他行を積む
 ⑥不平不満を言ったりくよくよ悩んだりしないよう、後悔しないくらい全身全霊を傾けて取り組む。

・「してもらう」立場で不平不満ばかり口にするのではなく、「してあげる」立場になって周囲に貢献していかなければならない。

・日本の進む道・・・武力や経済力ではなく、“徳”をもって他人や他国に報いる。徳をもって他国に“善きこと”を為し、信頼と尊敬を得る。そういう国家になった時に、日本は国際社会から本当に必要とされて尊敬される国になるはずで、そのような国を侵略しようという国も出てこないであろう。
40年周期説
1985年 円高バブル崩壊 → デフレ不況
2025年 (2020東京オリンピック)→上り坂開始?
「足るを知り」、国や個人の目標を物質的な豊かさだけに求めるのではなく、これからはどうすれば皆が心豊かに暮らしていけるであろうかという方向を模索していくべきではなかろうか。

・運命は変えていける。因果応報の法則では、私達の思ったことや行ったことが種となって、そのとおりの現実をもたらすことができる。短期間では簡単に実現しないが、30年、40年という長いスパンで見ると、ほとんどの人が日頃の行いや生き方にふさわしい報果をそれぞれの人生で得ている。まとめ

・一生懸命働くこと
・感謝の心を忘れないこと
・善き思い、正しい行いに努めること
・素直な反省心で、いつも自分を律すること
・日々の暮らしの中で心を磨き人格を高め続けること、そのような当たり前のことを一生懸命行っていくことに、まさに生きる意義があるし、それ以外に人間としての「生き方」はないと思う。」