「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」のその後

日本電産の永守会長による「人を動かす人になれ」を読んだのは2002年でした。「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」のモーレツが有名な会社です。創業時の「松下電産を上回る会社になるので日本電産と名付ける」という大言壮語を実現しました。
それで終わらず、さらにはこれから10年で売上をさらに20倍以上(30兆円)にするそうです。自社のモーターの需要が自動車、ロボット、家電、ドローンという4領域で急拡大するというのです。車のエンジンが全部モーターになり、身の周りのものがIOTになれば本当にそうなるかもしれません。
そのモーレツ社長が生産性革命に取り組んで残業ゼロにするそうで、社員はみんなドイツの会社のように夏に長い休暇取れるようになるそうです。生産性の向上とは、単に残業ゼロにすることでなく、決められた労働時間内に倍のパフォーマンスを上げるというようなことです。1時間の会議は45分で済むようにし、会議はテレビ会議で、資料作りに時間を費やすことの無いようにペーパーレスで、会議で発言しない人は次から出席できないなど、あらゆることで徹底的に無駄も省きます。毎日残業している人と、毎日残業しないで済んでいる人を放置せず、どうすればよいかきちんと指導して改善できる管理職のマネジメント力向上が重要だとも言います。何もせずに休みだけ増えるような凄くいい話かと思ったら甘くて、自己研鑽できる人しか生き残れないという恐ろしい話でした。
イメージ 1ちなみに、1998年著の本書で印象に残る内容は以下のとおりです。モーレツ経営のようで、しごく当り前の話だと思いました。
・一番を目指すから人はついてくる
・力の差は5倍でも、意識の差は100倍まで広がる
・これから求められる人材は「知能」だけの優秀さから、行動や言動で相手を感動させるような感性豊かな人材でなければリーダーシップを発揮できない。そのためには、たまに小説を読んだり、美術館に足を運ぶことも必要である。
・会社には仕事以上に重要なことはないから、職場では真剣勝負でなければならない。
・苛酷な注文は無形の利子を生む。情熱、熱意、執念さえ持続することができれば、不可能も可能にする
・仕事ほど面白いことがないと言えるくらい、苦しんで苦しんで苦しみぬいて、ようやく一条の光が差し込み、面白さがわかり、その光が大きく輝いたときに本当の仕事の楽しさや喜びを実感できる。まず自分自身がこの楽しさや喜びを味わっておく必要がある。
・業績をあげるためには、自分のポストを脅かすような部下を育てることだ。
・運を生かすためには、目先の仕事を後に回さない。
・自ら“できる”と信じたときにその仕事の半分は終了している。
・失敗は必ず解決策を連れてくる
・勝負を決するのはスピードが50%、ハードワーク30%、総合能力が15%、学歴3%、社歴2%
・相手のニーズ、要望をつかんで的確かつスピーディに応えていく。そのために、いろんな経験、特にうんざりするような単純作業などの辛抱を体験することが一番の近道となる。
・あれこれ欲張るとすべてが中途半端になるので、一点突破主義でやるのがポイントである。
・残業するよりも朝30分早く出社する人を重視する
・新規開拓はO型、補佐役、クロージングはA
・どんなに輝かしい実績があっても、自ら転職を希望するものは基本的には負け組みである。
・楽して儲かることはない、理屈よりも行動することが大切である。
・時間はすべての人に平等に与えられているから、倍の時間働いて競争に打ち勝つ。
・夢やロマンを持つことは未来を買うことである、だが、これは情熱、執念、熱意でしか手に入れることはできない。