史上最速と言われる山口高志

昔、阪急に山口高志という剛腕投手がいました。全身を使って剛速球を投げ、ものすごくホップするので三振の山を築き、阪急ブレーブスを初めての日本一に導きました。
田舎育ちの私はもちろん長嶋、王から野球ファンになり、すこし進んでいぶし銀の2番バッター土井を応援していました。しかし、お客の全く入らない球場で社会人野球と区別のつかないような時に、日本シリーズに出てきてセリーグのチームをきりきり舞いさせる、こんな世界があるんだ、これこそプロではないか、と子供こころに思うようになりました。それ以来、もともとひねくれ性格なのか、人気のあるセリーグに背を向けてパリーグファンになりました。
山口高志は、当時対戦したことのある一流選手は皆、現在の選手も含めて最も早かったとコメントしています。170cmに満たない身長なのに、全身をダイナミックに使って剛速球を投げおろす、ほんとうに気持ちのいい投手でした。故障のために活躍した期間は短かったですが、対戦した選手や、一度見た人に強烈な印象を残した稀な選手でした。「太く短く」の形容詞そのものの選手生命です。