2017年6月24日 保津峡~愛宕山~神護寺

2017624 保津峡愛宕山神護寺
愛宕山(標高924m)山に保津峡から登り、裏参道から高雄に下山します。
山頂の愛宕神社は火伏せ・防火の神として知られるパワースポットで、「火迺要慎(ひのようじん)」と書かれた愛宕神社の火伏札は京都の多くの家庭の台所や飲食店の厨房や会社の茶室などに貼られています。下界から遠く望むと、広い肩の上にちょこんと頂上が乗った山容をしいます。大昔、京都をはさんで東に対峙している比叡山と喧嘩したとき、頭どうしをぶつけて、堅い愛宕山の先が勝って比叡山の頂上がニコちゃん大王の割れ頭のように凹んでしまったと思い込んでいました。(下右写真)しかし由緒書には、喧嘩して比叡山が殴った際に愛宕山にタンコブができたのだ(下左写真)と書いていました。ここの若宮には雷神(いかづちのかみ)が祀られています。京都盆地から見ると、西北のこの山から雨雲や雷が発生するように見えるからではないでしょうか。天気予報でも雨雲や雪雲などはこの方向から来ますよね。
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イメージ 3前回は清滝から登り月綸寺方面の急坂を下って清滝に戻るルートを来たので、今日は別の水尾から上がって裏参道に抜け高雄神護寺方面に下るルートにしました。
7:41JR保津峡駅
駅からは水尾自治会のマイクロバス(片道250円)も運行してましたが、30分も待つ間に着くだろうと歩くことにしました。

イメージ 48:30水尾 清和天皇社は、ひっそりした神社で、その後の源氏の悲哀を連想しました。
イメージ 5静かな水尾集落を後にして、山道を登り始めます。道はしっかりしていますが、傾斜はけっこうあります。
しかし、結構あっという間に清滝への分岐に着きました。イメージ 6
9:30 分岐到着
そこからなだらかな尾根の」参道を進み、20分程で旧白雲寺の黒門に着きます。江戸時代の山上には宿坊もあり栄えていたようですが、明治の神仏分離で破却されました。
イメージ 79:57愛宕神社の広い参道に着きました。そこからも多少の階段が続きます。社務所や清滝方面を見下ろす展望の広い休憩所を通り過ぎると、ついに比叡山に殴られてできたコブの山の階段となります。先が見えないほど続いており、ここまで来てようやく到着したと安心しきった身体には過酷な最後の登りです。
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イメージ 8その先には門があり、献酒の樽が両脇に積まれています。伏見の老舗、山本本家の「神聖」です。個人的思い入れがあるのでこの伝統的な神社にドカーンと積まれているのは誇らしく感じます。
イメージ 10門をくぐるとさらにもう一登り、ようやく本殿の建物が見えてきました。
10:10愛宕神社本殿
土曜日なのに梅雨のためか、人は少なく、非常に厳かな気分に浸れました。
イメージ 11本殿左奥にある若宮です。雷神が祀られていまイメージ 12す。
お参りした後、また長い階段を下りて社務所前の広場に戻り、そこでサンドイッチとおにぎりで軽食です。
 
まわりにだんだんと年配のグループが到着しはじめます。ある4人位のじいちゃんばあちゃんグループが、一人で登ってきた他の爺ちゃんを見つけて、「あれ、まあ!久し振り!」と声をかけます。旧知の間柄のようです。グループの一人のじいちゃんが「長いこと会わんから、もう、顔忘れてもうた」と冷やかしたのに間髪を入れず、元気なばあちゃんが「男前やから顔忘れへんでぇ!」と、広い愛宕神社境内中に響き渡る声で叫びました。後から一人で登ってきたじいちゃんは、疲れてよれよれなのに、反応できない手荒い歓待です。ばあちゃん一流の盛り上げ方でしょうが、これだから関西のおばちゃん恐るべしと言われるのでしょう。
10:35愛宕神社発 そこからは神社の右手に回り、途中、月綸寺方面への急な下りを右下に分けて、軽自動車も通れるくらいのなだらかな山道を北に進みます。イメージ 13しばらく行くと亀岡との分岐に出て、右手の首なし地蔵方面へ進みます。約40分と書いてあったので後はこの尾根を下る一方だとルンルンで降りて行きます。ところが、だんだん道がわかりにくくなり、ついには踏み跡さえないようになります。尾根を下るのを頼りにどんどん進みますが、さらに道は無くなっていき、途中、木々に赤いテープが巻いてあるのを見つけてここで間違いないと確信して、さらに尾根を進みます。アップダウンもあり、最後の急な下りに差し掛かるとテープも見つからなくなります。所々に木々の下の方の皮を剥いだ跡があり、熊がかじったように感じました。沢筋を歩かねば大丈夫だろうと。さきほどの赤いテープまでは間違っていなかったのだから、少し道を外れただけで、すぐ下に沢音が聞こえてるからこのまま下ってしまえばいいだろうと強行突破しました。そうして下の小さな沢が見えた辺りで斜面は急降下して道どころでありません。とりあえず下の沢まで降りるしかないと覚悟決めて、斜面を何とか降りました。
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最初は広い道で間違いないと確信していたのですが、落葉にか隠れて踏み跡を確認することなく、どこかで首なし地蔵方面に右折しないといけなかったのに、気がつかず、おかしいと思っても後戻りせず、やがて道が無くなっても強行突破してしまいました。
イメージ 1711:20竜の小屋 ようやく降りた沢には小屋がありましたが、人の気配はなく、入口に人探しのポスターが貼ってました。愛宕神社に昇ったまま消息を絶っていると。この人は何十回も登っているベテランだと。先ほどの下りで木の皮が剥されていたのを思い出し、熊ではないかと。この行方不明のベテランは、いきなり熊に襲われて寝ぐらに引きずられていったので見つからないのではと。よくこんな危険なとこ下ったのに無事だったなあと、ぞっとしました。やはり道のないところは引き返さないといけません。
イメージ 1811:50愛宕神社裏参道入り口
竜の小屋の記載された詳しい地図が無く、今どこにいるのかわからぬまま林道に出て下っていたら、裏参道の入り口(もう少し進むと首なし地蔵とのこと)に出ました。ここには広い駐車スペースがあり、ここから1時間弱で本殿まで登れるので最短登山ルートです。それでボツボツと人が登ってきてたのだなと分かりました。ルートさえ間違えなければ非常に登り易いルートなのイメージ 19
です。どこでどうしてこの分かりやすい裏参道から外れてしまったのか?真っ直ぐ尾根道を降りる一方だと確信してたので目に入らなかったのでしょう。
そこからは長い林道を下っていきます。まだまだ非常に高い高度から下がっていきますが、つづらおりで右下に見下ろしていた神護寺への尾根に近づいていきます。高雄まで続く林道を離れて、神護寺までの直に下る山道を目指します。
イメージ 21イメージ 20林道をしばらく下っていくと神護寺への案内があり、そちらの山道を下っていきます。そこそこいい道ですが、今日はなぜかやたらと疲れており、これ以上ハードな下山なら気持ちが負けそうです。


イメージ 2213:00神護寺下山
はるか下方に見下ろしていた高雄の沢に絶望的でしたが、思ったよりもあっさりと神護寺の建物が姿を現しました。そう、神護寺自体がかなり高いところに建てられていイメージ 23るのです。
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イメージ 2513:22 神護寺入口に到着





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