伏見商店街の露店商

伏見桃山は、全国でも珍しくシャッター降りてない賑わいある商店街です。ブラタモリでもやりましたが、ここは日本の首都だったからです。ほんの一瞬でしたが。

その商店街で毎日朝早くから夜遅くまで野菜や果物売ってる露店商の夫婦がいます。イメージ 1朝六時くらいから売り物持ってきて、小錦サイズの旦那が正面に体重で折れそうなパイプ椅子にでんと座って野菜などを袋詰めし、それをいつも黒い帽子被った奥さんがちょこまか動いて陳列していきます。
私は毎朝通りがかるのですが、よく御主人の罵声が聞こえます。今朝は「機嫌良くやってんのにお前がいらんことこと言う」とか「そこちゃうと言うてるやろ❗」と怒鳴ってます。喧嘩というより、一方的なパワハラの雰囲気です。
小錦の旦那は朝の陳列終わると夜迎えに来るまでいなくなります。その間仕入れに奔走してるのかもしれませんが、終わったら家で休んでいるかもしれません。
それに対して気の毒な奥さんは夜までずっと店番してます。ワイドショーなんか見てる時間など一生なさそうです。セクハラパワハラで圧倒的な女性優位の時代に、ここだけが野麦峠の世界なのです。こんなに苦労してるのに怒鳴り散らすような小錦の旦那なんかとは別れたらいいのに、とか思ってしまうのです。それでも朝六時から夜八時前まで毎日、おそらく体が動かなくなるまで続けるのでしょう。可愛そうでなりません。

しかし、それは私の勝手な思い込み、おせっかいなのかもしれません。気の毒に見える奥さんも、実は地元でとても周りの人気があり、隣りのマクドナルドにいると、「トイレ借りるよ」ふいに入ってきたり、コンビニのオッチャンに残った野菜あげてたり、なかなか周りの人たちといい関係なのです。
近所の行きつけのバーで、その店主からかって「マスター結婚するって、〇〇前のおばちゃんから聞いたよぉ」と冗談で言うと、ほんとに気にしてました。あのおばちゃんは名高い伏見大手筋商店街の隠れた権力者なのかもしれません。あらゆる情報があのおばちゃんに集まっているのかも。ひょっとしたら裏の商売で儲けているのかも。どんどん妄想が膨らみます。
私もたまに果物など買いますが、50円ええわとか、こっちのほうが美味しいと代えてくれたり、一個おまけしたげるわ!なんて、めったに買わないのに毎日会ってるように接してくれます。あそうか、毎朝会っているんだ、年1回くらいしか買ってないけど。