1995年8月26~27日「空木・木曽駒ケ岳」

199582627日「空木・木曽駒ケ岳(計18,170円)
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6:02東所沢JR150円、パン490円 バス3,590円、牛丼980円、タクシー1,000
 友人と新宿の高速バスターミナルを出発したが、好天の休日とあって中央道が大渋滞して甲府の先まで4時間もかかった。私は相変わらずの毎日の飲酒のせいで寝不足のため、バスの中でうとうととよく寝る。しかし、さすがに長時間となって最後の用はお尻が痛くなった。
13:20駒ヶ根着、中央道渋滞のために2時間遅れる。空木からか木曽駒からか、どちらから登るか迷ったが、タクシーで上がれる所まで行って、空木小屋を目指すことにした。土砂崩れのせいで駒ヶ根ロープウェイ方面も乗継になっているらしく、タクシーも古城公園までしか駄目だそうだ。登山地図と睨めっこしたが、結局、最初の登山道との分岐で降りた。
13:55登山口

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途中までダケカンバの静かな遊歩道でとても感じが良かった。そうして登って行くと、ようやく池山小屋に出る。
15:16池山小屋、古い小屋、水を汲む。少し沢を降りて、小屋の前の水場で給水する。池山小屋はとても古くてあまり泊まる気がしない。
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 準備を整えてまた登山道に戻り、緩い山道を登り始める。しばらくして山中に水の流れる水場が作られていた。そこからは少し薄暗い杉の原生林の中で、東斜面のために日射しも遮られてとても静かな山旅が味わえる。しかし私たちには時間がないので急がないといけない。そこからは尾根の急登だ。尾根までやっと出て、しばらく伝って行くと迷い尾根に出た。
16:55迷い尾根(標高2200m
地図には危険と出ていたが、階段もきちんと付けられていてたいへん整備されていた。
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途中でバテて一休みするが、また頑張ってしばらく進み、もう一度尾根に出る。そこでも少し休んだが、そこから100メートルくらい登ると、あっけなく空木避難小屋への分岐に着いた。
17:55空木岳小屋分岐(2500m位)
ここからは雄大空木岳が近くなってくる。少し休んで、尾根を登ると、今までとはうって変ってアルプスらしい山容が見渡せる。低いハイマツと岩と白砂の間を喘ぎながら登って行く。だんだん暗くなってくるが、頂上のすぐ下辺りが目標の駒峰ヒュッテのはずだが、近づいて行っても何だか見えない。暗い中、そんなところを登ってコルに出ると、低い高さの小屋があった。
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イメージ 519:00空木頂上小屋素泊り3,000
 おじさんが「今着いたの?まあ、中に入って休んでください。」と言ってくれ、小屋に入ると、小さい小屋の中に結構たくさんの人がいた。荷を降ろして名前を記入し、素泊りの3000円を支払う。おじさんに二階の空いているところをと指示され、二階に上がってシェラフを敷き、着替えをして食事をしようとまた降りるが、御飯を炊くのが面倒で、黒麦ロールパンを食べて、レトルトの肉じゃがを温めて食べる。
イメージ 619:40麓の駒ヶ根市で花火をやっており、小屋の外の高台に登って遠く見下ろすと、花火が丸く打ち上がっている。途中で霧が出たのでトイレに入って部屋の中に戻ったが、友人が戻らないので再び外に出た。するとガスが晴れて、少なくなったものの、まだ何人かが花火を見下ろしている。最初より回数も多くて、花火も赤や白や緑の輪がきれいで、なかなか美しい。こんな高い所から見下ろすのもめったにできないことだし、しかも晴れてよく見えたのでほんとうに運がいい。
20:30今日も結構疲れたので、小屋に戻って就寝する。隣の人がシェラフを大きく広げて追い出されるようになったので、頭に来て一番奥に移し替えた。やっと横になっても、さらに二人くらい向こうに寝ているおじさんが不規則なイビキをかく。ゴゴーっ、・・・、シーン、プルプルプル、あっ来るな!、グッウォーっ、ズススーッ、・・・)イビキの酷い人はみんなの迷惑だからテントで寝るべきだ、と思う。それだけでなく、足がとても疲れて熱を持っているせいか、まったく寝付けず、朝方の2時くらいまでは1時間置きに目が覚めた。ただ、暖かいフリースのおかげで明け方の寒さを防ぐことができ、そのあとは少し眠れる。

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4:40起床、目覚ましで起きて遅くなったかと心配したが、外に出た人がガスで全く何も見えないと言っており、慌てる必要はないと荷物を詰め直して階下に降りる。先に起きて外に出ていた友人も戻ってきて、同じようにガスで何も見えないと言う。ただし、小屋の周りの東斜面は風がない。コーヒーを沸かしてパンとソーセージを食べる。小屋の交替番のおじいさんは、昨日は花火を特別イベントだとはしゃいでいたが、この小屋で十日間番をするそうだ。しかし、携帯電話を持っているので陸の孤島状態ではない。パンを食べた後、予定より遅れて出発する。
5:30小屋出発
イメージ 7東斜面は風がなくてガスだけだ。10分くらい登ると頂上に着く。
5:40空木岳頂上(標高2864m
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  これで百名山のうちの五十山目となり、記念に写真を撮る。そして木曾方面目指して進む。そこからはうって変わって岩場を急降下してかなり下って行く。木曾殿小屋方面からの登り客とたくさんすれ違う。小屋は目いっぱい混んでいたそうだ。標高2864mから2587mまで、300メートルを一気に下るが、時間も結構かかるので嫌になってくる。ようやく小屋に着いたが、空木岳からは西斜面から吹き上げてくるガスで風が強く、たいへんだ。
6:30木曾殿越山荘(2587m
  小屋も同じ状況で、中に入って休もうとしたら、小屋の前に「たとえビールかジュースを買っても、売り切りで休憩できません」と書いてある。なんという不親切な小屋だろう。こんなことを書く人が管理しているとはあきれるばかりだ。そこから先は思ったよりもなだらかな尾根だが、やはり強いガスが西から吹き上げており、息もできず、とても辛い中を熊沢岳を越えて行き、だいぶ進んで向こうの稜線が見えた時に、一瞬、小屋が見えた。その晴れ間はすぐ消えたが、そこから一度降りて、もう一度ヒーヒー言いながら登り切ったところが檜尾岳だった。3時間のコースを2時間で着いた。
8:40檜尾岳
  水を飲んでしばらく休んだ後に再出発する。そこからは息をつくようなアップダウンだ。まず一つ目のピークを登るが、頂上と思ったところから岩場を平行に行き、かなり経ってから、やたらガスの中に人の気配がしてくる。ピークに着いたら、岩場に赤や黄色の派手なウェアのおじさんやおばさんが固まっている。2030人はいたので休む気がせず、通り過ぎた。まるで岩場にハエがたくさんたかっているような感じだ。その次のピークはたいしてアップダウンがないと聞いたが、確かにそうだった。さきほどの最初のピークは急降下急登で、岩場鎖場もあったが、今度は少し緩やかである。また登りはじめを少し我慢して登り、ピークらしきところに上る。右方向はガスが晴れてロープウェイの山麓駅が見えていたが、この二つ目のピークから少し先の極楽平は千畳敷が見下ろせるはずである。なのに、なかなか極楽平には着かない。もう山容はアルプスのように緩やかな感じになっている。岩と低草の山になっている。目前の山が宝剣かと思ったら違っており、まだ小ピークだった。そこを登り切って、喘ぎながら歩いてゆくと、ついに極楽平の分岐に着いた。
イメージ 9 友人はとても極楽に見えないというほど、尾根は狭く、ガスと風は強い。
イメージ 10 そこから遭難碑まではロープに挟まれた緩やか道を歩いていって登り切ると、晴れ間に宝剣岳の岩山が真ん前に聳えていた。
イメージ 11 そこからは恐ろしい鎖と岩場だ。高所恐怖症の私は怖いけれども進むしかない。近くに見える頂上が案外遠くて、何度もアップダウンして、恐い思いと疲れた体に鞭打って何とかピークに到達した。
11:09剣岳2931m)鎖伝いで恐ろしい
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右下方に千畳敷カールが見下ろせる。ホテル千畳敷の赤い屋根も見える。
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ここは宝剣の字の如く岩が突き立っている。社に賽銭を入れて、これまでの山行の安全をお礼し、家族の幸せと自分の縁をお願いした。千畳敷を上からしばらく見晴らして休んだ後、木曽駒が岳に向う。そこからの下りは楽な道で、すぐに宝剣山荘に着く。
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汚い救助犬がいる。毛がふさふさしてはいるが、風呂に何ヶ月も入ってないようなねっとりとした油の染み付いた毛で、鳴き声もかすれている。
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そこに荷物をデポして、木曽駒への巻き道に向うが、途中から岩伝いの上、西からの強風に煽られてピークを超えていった方が楽だったかとも思う。
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とにかく木曽駒のふもとまで達し、友人が疲れて倒れるが、さらにそこから黙々と10分くらい我慢して、ようやく頂上に辿り着いた。頂上で写真を撮って、御社にお参りし、白いおこじょが出るというもう一つの社にもお参りして帰途に着く。
11:50木曾駒ケ岳(2959m
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イメージ 18  下りは友人が速い速い。巻き道は結局近くて、一気に宝剣山荘に戻り、デポしたザックを回収して、岩場を伝ってどんどん千畳敷250メートルの落差を下っていく。かなりの距離があったが、どんどん下山客を追い越していき、ようやくロープウェイの山頂駅に降りた。
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イメージ 2012:45千畳敷2612m)ロープウェイ1,130円、バス980
  結構人が並んでいたが、30分くらいの待ち時間で、思ったより早く乗車できた。満員だ。下からはまだどんどん登山客が上ってきているのには驚く。しらび平からはバスに乗るが、すれ違う4台の上りのバスにもまだ登ってくる客で一杯なのにはびっくりする。これから上まで登ってくるのだろうか。途中の発電所の土砂崩れのために一旦降ろされて、沢に降りていく。すると、このクソ暑い中でたくさんの人が並んで待っている。バス3台分くらい待たされて、ようやく乗車できた。そこからもかなりの高度差をクネクネと斜面を巻いて下っていき、菅の台バスターミナルで駒ヶ根行きに乗り換えた。
14:55駒ヶ根着ビール460
15:21駒ヶ根駅発JR5,560円、そば600円、ビール230
  そばを食べてビールを飲んで、特急あずさやかいじの指定券は取れず、立ち席でも早く帰るほうがいいので電車に乗った。高校生や中学生でいっぱいの二両編成の車両だ。でも学生は座らないで席を空けてくれていて有難い。
16:26岡谷着
  岡谷に着くと慌てて階段を渡り、ホームに着いたら特急かいじがすぐに到着したので飛び乗る。自由席がわからなかったが、先頭車両に行くとそこに自由席があり、幸運にも座ることができた。車内販売でビールをもう1本飲んだ。
16:28発かいじ116
18:39立川
  今回も登山後は体重が71kgまで下がったようだ。しかし、こんなに減量したのに筋肉痛がない。毎週登山して体を鍛えているからかもしれない。心配していた靴擦れも、厚いソックスを履いてみたら大丈夫だった上に、ふくらはぎまで覆うソックスだったためか、ふくらはぎまでの補強材になったのか足は疲れているのに痛みは全くない。靴もだいぶん足に馴染んできたようだ。この体力強化が、いつかは外国のもっと大きな山につながるかもしれない。運動して体力強化し体も絞り、体重70kg以下の筋肉質にしたい。