1994年6月25~26日「金峰山・甲武信岳」

199462526日「金峰山甲武信岳9,010円)
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5:57東所沢JR2,160
立川で同行の友人と合流する。
6:40高尾
二人とも昨晩遅かったので電車の中ですっかり眠る。
8:33韮崎駅前そば330円、バス1,230
10:02増富温泉 マイクロバス700
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 増富は地図にも載っているくらいなので大きな温泉だと思っていたが、山深い中のひなびた小さな温泉だった。ちょうど下って来たタクシーに乗ろうと停めると、運転手がすぐにマイクロバスが来るので、その方が安いと親切に教えてくれた。マイクロバスに乗車して見ると、瑞牆山荘まではけっこうな距離があり、これを歩いていたら大変だったと思う。
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10:26瑞牆山
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12:00大日岩
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 大日岩の下でパンと食べてコーヒーを飲む。曇りだけれど周りの山までの視界はきき、遠くの空には青空ものぞいている。しかし、そこで昨晩遅かった眠気覚ましに日本酒のマイルドパックを飲んだのが失敗だった。さすがに金峰山の登りの最後の方では、息がゼエゼエして、先行する友人を何回も待たしてしまった。
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 時計の高度計を見ながら少しずつ進み、ようやく五丈岩に着いて休む。
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 遠くの方には八ヶ岳の裾野の方が、雲の切れ間から時々顔を見せる。友人は五丈岩のだいぶ上の方まで登ってみるが、ロッククライミングのようになって危なくて、あと少しのところで止める。缶詰を食べたりしてしばらく休むが、やたらハエが多くて困る。
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17:05大池小屋素泊り寝具付3,000
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 愛想ないおじさんに素泊りを申し出る。3000円と高いが、きちんとした布団付きで有り難い。布団を敷いて、荷物を整理して着替え、外のベンチで牛丼を作って食べ、酒も飲んだ。
18:20小屋内に戻り、布団に座ってこの記録を書いている。隣では友人が日本酒マイルドパックを飲んでいる。ちょうどランプと薪ストーブの真前で、足元が暖かい。その上、熱を持った足が毛布の中で汗をかいている。心地よい疲れだ。しばらく休んで、もう朝かと目を覚ますとまだ23時前だった。午前零時頃には隣のおじさんがこちら向きに鼾をかくので、とても煩くて眠れない。しばらく我慢するも、駄目なので、外へ出てトイレに行くが、久し振りに降ってきそうな星空となっている。カシオペア座がはっきり見え、満月のため戸外はうっすらと明るい。そして再び寝床に戻るが、やはり鼾がひどい。一呼吸毎にハアハア言って煩く、またマイルドパックを取り出して日本酒をストローでチュウチュウ吸い、少しいい気持ちになってようやく寝つける。
 
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4:20起床 
朝、人の動く気配がして目を覚ますと、友人はすでに起きていて、私も「起きるか」と言って蒲団を畳み、外で湯を沸かしてレトルトパックの雑炊とカップスープを食べてコーヒーを飲んだ。この小屋は寝具もあり、水場には洗面場もある。トイレもきれいで、小屋に吊るしてある鍵で開けられる大の方は水洗でトイレットペーパーも置いてある。食事を済ませて荷物を詰めて小屋を出発する。
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5:10大池小屋発
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 夢の庭園をやり過ごし、苔むした原生林を登って行く。まだ体は余裕があり、200メートル登り切ると展望が開ける。
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5:50国師岳 
少し南には奥秩父一の高峰の北仙丈ヶ岳がある。富士残も目前にはっきり見える。甲府盆地は低い雲に覆われていて、高い山がその上に姿を見せている。南アルプス八ヶ岳、そして苗場山系?も見える。大展望だ。イメージ 16 少し休んだ後、小バエの大群に襲われる。朝の太陽が暖かくしてくれる前に、葉にへばりついているハエたちを私たちが叩き起しながら歩くようになってしまった。
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 そして体中ハエだらけになりながら、暗い、苔に覆われた湿気のある樹林帯をゆっくり下って行く。
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 2600メートルから2200メートルまで下る。そして、喘ぎながら東梓を越えて両門の頭を登り切る。太陽に暖められて、盆地の下方にあった低い雲の層がだんだん上昇してきている。前方の富士山も少し遠くになった。そこからまた喘ぎながら富士見台に登り、また100メートルくらいのアップダウンを繰り返して千曲川の源流にやっとこさで辿り着く。そのあと気を入れ直してゆっくり登って行くが、酒のせいでスタミナが切れ、少し登っては休み、少し登っては休み、もう限界で、友人を大いに待たせてしまう。頂上直下10メートルのところまで来ても岩に座って休み、なんとかやっとの思いで登り切る。
10:2011:00甲武信岳
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 湯を沸かし始めて、スタミナ切れと寝不足で横になる。ハエが少しいる。カップヌードルを食べてコーヒーを飲んで頂上でゆっくり休む。一食分足りなかった。他のたくさんのグループと写真を撮り合ったあと、出発して急な坂を甲武信小屋を目指して降りて行く。
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 10分ほどで小屋に着くと、テレビで見たことのある主人が戸外で作業している。
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 山はすっかり雲に取り囲まれ始めた。木賊山経由を避けて巻き道を行く。15分で分岐に出て、また15分くらい少し登って、西沢への分岐に着く。そこから一気に下って行き、高度計では2400メートルから1200メートルくらいまで下がる。途中1400メートルのヌク沢に着いたあたりで、友人がいつもの右ひざを痛めて少し休む。きれいな川で水をすくって飲み、友人にも水を汲んで持って行ってあげる。少し休んだ後、軌道跡かを辿ったり離れたりしながら下って行き、最後はあっけなく西沢の林道に出て、そこから20分くらい平坦な道を歩いてバス停に着いた。
14:15西沢渓谷
14:30発バス970
友人にもらった500mlのビールを一気に飲んで、臨時のノンストップバスに乗車する。バス内でシャツも換える。
15:05塩山ビール260
15:16発JR360
電車がすぐに来たので、慌ててビール2本を買い込んで乗車する。のんびり各駅停車で大月を過ぎて相模湖に着く。
16:30高尾
17:30東所沢
秩父の山を縦走したが、標高が2000メートル以上もあるので山が深くて眺望が良かった。特に富士山が正面にすごく近く見えた。そして、金峰山頂上はアルプスのような山容でもあった。国師から甲武信へは長い原生林で、このように深くて長い距離に自然が残っていることに感動する。増富や西沢のバス停もひなびた終点だけれども、それが一層秘境を思わせる。もう2週間早ければシャクナゲの大群の中を歩けたかもしれない。大池峠へは林道を使って車で入ることもでき、雰囲気もいいので、素人が来る時は大池小屋から一時間登って北仙丈ヶ岳へ行き、富士山を目前にして昼ご飯を食べ、下りで夢野庭園を通って帰るハイキングコースにも使える。