1993年8月29日「富士山」

1993829日「富士山」7,900円)
5:20小岩
5:46東京
6:30大船
ここから見えだした富士山は、他の山並みをはるかに越えて大きく、威容を誇っている。電車の中からしげしげと眺めてしまう。御殿場に着く頃には、山の下半分は低い雲に覆われていた。しかし、上半分はすっきりと頭をのぞかせていて、天気は上々だ。
8:10御殿場JR1,850
9:05
須走口バス1,420
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イメージ 2  案の定、須走口(新五合目)から六合目にかけては雲海の中で、それを抜けると風は強いが、雲の上に出て気分はまあまあである。
イメージ 311:40七合目3250m
9時過ぎから登山して2時間半、運動不足のせいか、高山病よりも疲れでバテバテだ。少し登っては少し休むの繰り返しだ。頂上まではあと1時間半、標高差は約500mである。距離にして1700m2時くらいまでに着ければ十分だろう。しかし、七合目を過ぎてから一歩一歩がほんとうに苦しい。中学で1500メートル走をやったあとに、息が血の混じったようなぜえぜえという感じだったが、それと同じ酸素不足の症状だったのかもしれない。ゆっくり登っては休むというマイペースを保てば、なんとか登頂できた。
12:50八合目3450m
クタクタ、バテバテ、足がつる、休憩繰り返す。途中で気分が悪くなったり、酸素ボンベを吸っている人もいたので、それを思えばなんてことはなかった。ただ日頃の運動不足で体力がないため、それが七合目からの苦しみになったので、キリマンジャロに行くためには運動不足を解消して体力をつけておかねばならない。最後の鳥居が見えてからは、あと20メートルくらいなのに全く進めず、一休みしてから、なんとか頂上火口に辿り着いた。
13:50
須走口頂上着3720m(登山時間4時間45分)
イメージ 4  下山する人も登る人もたいへん多いのに、神社も売店も閉まっていてたいへん静かだ。ひっそりとして、逆に不気味でもある。また、火口も案外小さく見えて、想像していた雄大でなだらかな大きい山というのではなく、険しくて厳しい山という印象だ。
イメージ 514:20富士宮口頂上
イメージ 6  山頂では風が強くて息ができず、苦しかった。もう夏も終わりなので山小屋は冬支度で閉めてしまっており、ひっそりとしている。
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  浮世絵の赤富士などのようなのは急斜面で描かれ過ぎているが、実際もけっこう急登な険しい独立峰であることがわかった。日本一の山であるし、日本人の精神的な支柱でもあるから一度は必ず登るべきなので、登頂できて良かった。
15:50富士宮口下山砂走り
砂走りというものが初めての経験だったので興味あったが、なんてことはなく、靴の中に砂が入って面倒くさい目に遭った。
イメージ 1417:20下山(下り1時間半)
3776m
に登ったが、高山病についてはなんともなかった。終わってしまうとなんてことはない登山だったが、一応日本一の山を登ることができた。八合目の下辺りでは、何度となく諦めて帰りたい気分になった。頂上を極めたからといって、別に何も出るものでもないし、そこに何かを期待しているわけでもない。ただ頂上という目標へ、何の雑念も持たず突き進んでいるのみである。そして、少しずつでも前進すれば着実に近づいているのだ。そこで下山せず頑張れるのは、今回登れなかったら、再度出直して、この遠い列車の旅をして、バスにも乗り継いで、好天気の日を選んで、その上でまた同じようにここまで喘いで登ってこなくてはならない。それを再度繰り返すのは面倒だし、ここをこれより楽に登れるほどの体調を作ることも難しい。ここまで登ってこられたのだから、せっかくだからやり遂げて、富士山を済ましてしまいたい。これで富士山を終わりにしたいという気持ちがあったからだ。この気持ちを仕事にも活かしたい。安易な考えでも何でもいいから、夢という目標を明確にして、それに向かって少しでも近付いて行く。ある程度のところまでとにかく行く。半分の五合目まで登ってしまうと、そこで止めて下っても他にすることが無くなる。ある程度出てしまったら、引くに引けない状況になる。そこまで準備したのもあり、元に戻すのも面倒がかかる。せっかくここまで来たのだから、あと何時間かかってもとにかく頂上を目指す、目的達成を目指すような状況に持って行きたい。そうすれば何事も中途半端にはできない。頂上を極めることがいいのは、それを達成したからといって満足して遊び呆けるということではない。それを達成した後の帰りのバスの中では、すでに次の目標を考えているのだ。つまりどんどん前向きになり、しかも行動で実現できる体質にもなるのだ。だから、どんなことでもまず登り始めること、まず始めることだ。そして、ある程度は我慢して続けることだ。学校へ通うことでもいいし、マラソンするのでもいい。とにかくスタートして、習慣にできれば、それなりに楽しく感じることもできる。そして、そのまま続けていれば、必ず良いことが起きる。
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