1996年8月30日~9月5日「北アルプス縦走」①薬師から雲の平・水晶岳

1996830日~95日「北アルプス縦走」①
830日(金)
 体もだるいし、行くのを止めて家で休もうかと思ったが、家でゴロゴロしていても太る一方だし、まあ、強行して良かったのかもしれない。天候があまり良くなさそうだけど、自分の時間をのんびりと山小屋で過ごすには雨の方がかえっていいかもしれない。ゆっくりと、リラックスして、行ける所まで行って、今年の百名山の最終回にしたい。
21:25家を出発 食糧費4,150
21:35豊成からタクシー タクシー1,520
21:54岡山発 ひかり144号 JR11,070
22:53新大阪  ビール710
23:32発 リゾート立山


831日(土)
 リゾート立山は最新型のサンダーバード車両で大正解だった。1号車以外の23号車はガラガラで空いており、検札の終わった後、2号車に移ってクロスシートを向い合せにしてのんびり眠った。
4:55富山 富山地鉄1,210
5:37有峰口着
7:05発 バス2,550
8:05折立着
イメージ 18:45発(1450m)先々週立山から帰る時に乗りあわせたおじさんから、折立からの登りは長くてきついことを聞いていた。しかし、登山地図では登り5時間、下り3時間半という標高差900mを3時間弱で登り切った。
9:52三角点(1870m)
イメージ 211:50太郎小屋(2300m)
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13:15薬師岳山荘(2700m)バテバテ、2700m以上はガス中
イメージ 714:05薬師岳2926m)雲の中で雨が降っている。
イメージ 815:35太郎平
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 なんとか疲れの蓄積と睡眠不足を補って登ったが、さすがに疲れた。もう少し元気だったら一気に雲の平まで行ったかもしれない。薬師岳から下る途中、一気に雲の平に行くか、太郎平に泊まって黒部五郎への縦走にするかさんざん迷ったけれど、太郎平に降りた時にはかなり疲れていてそのままそこに泊まろうかとも思った。しかし、そこにいたおじさんたちが雲の平は素晴らしいよと言っていたのを聞いて、そこに寄らないのも惜しいと思い、山岳地図をさんざん見て標高差などを確認した後、やはり雲の平を通ることにした。そしてだらだら続く道を何とか2時間弱で下り、薬師沢小屋に着いた。
17:40薬師沢小屋 素泊り・ビール5,500
イメージ 11 布団があって、空いてもいたので、シェラフは必要なかった。
18:55ラーメンを食べて夕食終了
19:30就寝(消灯21時)

91日(日)
 外は暗いが星が出ている。体はだるく、目も腫れていて疲れが取れていないようだ。とことん疲れて熟睡すれば一気に回復するはずなのだが、昨晩はそうもならなかったようだ。今朝も暗い中からの行動でたいへんだけど、慌てず急がず、当初予定の三俣蓮華までは最低行くようにして、あとはプラスアルファだ。天候が悪いと思っていたのに星が出ているのだけが救いだ。昨日も今日もほんとうにツイている。それに山小屋も2030人と人が少なくて、スペースが広く使えてよかった。今晩からは平日前の夜になるのでもっと少ないはずだ。もっと快適な山の旅ができるだろうから、ゆっくりのんびり行くようにしよう。まだ暗いうちに一人だけで小屋の台所に出て、湯を沸かしてお茶漬けを食べた。コーヒーを飲んだ頃に山小屋の人が朝食の用意に起きてきてエンジンをかけ、私が出発する頃には室内等も点灯するようになった。
4:15薬師沢小屋発 外は暗いが満天の星で月明かりもあり、ヘッドランプを消しても歩けるくらいだ。喘ぎ喘ぎ登って行き、やっと台地に出る。
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5:40木道(2420m)アラスカ庭園
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 そこからは針葉樹の木道が長く続く。アラスカ庭園をどんどん進んでいくが、なかなか先へ進まない。
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やがて岩がたくさんある場所に出て、祖母岳への分岐を越え、日本庭園を少し行くと、あっけなく雲の平山荘に着く。
イメージ 186:40雲の平山荘(2550m位) 山荘から出てきた若い男女が、私が来た方へ散歩に出かけていく。途中で後ろから歩く男性が写真を撮り、太陽がまぶしいせいか女性のポーズがなかなか決まらないのでいろいろ注文をつけるが、女性が「もういいよ。」とはにかんで言ったのは可愛かった。そこからスイス庭園を越えてキャンプ場に降り、水を入れ替えて、祖父岳へ登り始めた。天気予報ではほとんど諦めかけていたのにすごくいい天気になり、すべてが見渡せる。薬師から立山、目前の水晶も槍も笠ヶ岳方面も、さらに黒部五郎から太郎平への稜線もはっきり見渡せるのだ。なんという幸運だろう。キャンプ場では一人しかテントを張っていなかった。
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イメージ 197:50祖父岳(2825m)頂上では誰にも会わない。笠ヶ岳に雲かかるが他は360℃快晴。
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そこから岩苔乗越を経てジグザグの登りを30回ほどターンしてワリモ岳分岐に着く。
8:46ワリモ岳分岐(2815m)荷物デポ
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イメージ 24 そこで立山から薬師、薬師沢、高天原温泉と縦走して来て、これから烏帽子へと行くおじさんに会う。天気の良さをお互い話し、私はそこで荷物をデポして空身で水晶岳へピストンする。だんだん風が出てきて、平坦そうに見えた水晶への登りもけっこうきつい。稜線の裏に水晶小屋が隠れていた。髭面の山小屋の番人らしき人が出てきてごみを焼いている。野口五郎岳が見える。烏帽子への稜線もくっきりと見えるが、標高が高い割に百名山に入っていない理由がわかるような気がした。周りを見渡すと、やはり存在感がある山が百名山なのだ。水晶への結構厳しい尾根を越えて、鋸の歯のような尾根を四つ越えたら山頂に到達した。
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イメージ 279:40水晶岳1986m)少し雲がかかる。山頂には誰もおらず、立山と黒部湖が見渡せる。そしてすぐにとって返す。荷物をデポした地点からの往復に1時間半強かかる。
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イメージ 2910:32ワリモ岳分岐
 荷物を取って、そこからアップダウンを繰り返し、やっと鷲羽への100メートルの登りに取り付く。標高2800mくらいのところは雲で覆われている。
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