1995年8月11~15日「南アルプス縦走」③
8月13日(日)
16:34小河内岳
17:40烏帽子岳
18:25三伏峠小屋、管理人いない古い小屋だが、広い。
19:00御飯を炊いて牛丼を食べる。
19:33就寝、夜寒かった。シェラフは夏用の簡易なものではなく、きちんとしたものにしないと駄目だ。
8月14日(月)
4:00前に起床、昨日の水場まで水を汲みに行くが、マメができて両足とも痛い。夜空は快晴で、月明かりで歩けるくらい明るい。5分以上歩いて水場に行くと、葉の間にキラリと光るものがある。動物の目かと思ったが気のせいかもしれない。よく考えれば、人のいない森の中を、しかも真夜中に歩いているのだ。これ以上恐い状況はない。小屋へ戻るまで歩いていると、歩き出しには痛かった両足も慣れ、体もウォームアップする。小屋の前の沢で歯磨きし、顔も洗った。ここの水を汲めば良かったのだ。バカなことをしている。しかし、夜明けまでの時間稼ぎと体のウォームアップにはちょうど良かったかもしれない。昨日、登山靴の紐が切れてしまっていろいろと悪いことを考えた。しかし考えても切れたものは仕方がない。今日こそ快晴になってくれることを願う。南アルプス最良の素晴らしい山旅を期待したい。コーヒーを飲んで、荷物を整理した。さあ出発だ。
4:58三伏峠小屋出発
5:40本谷山(2658m)快晴で太陽に照らされすべて見渡せる。
6:40杉木立の中を進む。シンと静まり返った中で、杉の香りを含んだ凍った空気が鼻を少し痛くする。小鳥のさえずりしか聞こえない、このような雰囲気は大好きだ。
7:19塩見小屋(2740m)
8:32塩見岳(3047m)急なガレ場を遡っていく。当初は恐いくらいの急場に見え、あそこを登るのかと焦る。約100メートルの垂直な崖登りに見えた。しかし、ここまで来て引き返せない。私より重い荷を背負っているおじさんも、喘ぎながらも登っているので大丈夫だ。天狗岩の所で少し休んでから登り始める。実際に登り始めたら、案外傾斜は緩く、道もしっかりしている。岩場を少し登ると緩くなった尾根に出た。頂上に着くと真正面に富士山が異様にデカく見える。そして、北岳方面や昨日の荒川三山の中岳と悪沢岳もくっきり見える。しかし、赤石と聖は隠れて見えない。これを下れば今回の難所は終わりだと思う。夕方まで時間はあるので、ゆっくり歩いて行こう。富士山が真正面だ。大地の湿気が湧きあがってできた雲があるだけで、上空には雲がほとんどない。
9:33北股岳(2910m)ぼんやり座っていたら、太陽に照らされて、風が涼しくて気持ちがいい。ここから一気に標高差200mの下りは急で恐ろしい。13:10~13:35熊ノ平小屋、お茶漬けを食べる
15:00三峰岳(3000m)