1990年7月31日~8月6日「北海道大雪山縦走」②お鉢平~白雲岳

1990731日~86日「北海道大雪山縦走」②お鉢平~白雲岳
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3:32旭川着 タクシー9000
急行大雪から3時半過ぎに降り、旭川駅でルートをいろいろと考え、ふと、旭岳ロープウェイから無理せず登ってゆっくり行こうとしたのは大正解だった。黒岳と旭岳以外は、どの方向から登っても、高層高原に辿り着くまでに相当歩いてゆかなければならない。帰りの天人峡などは最たるもので、低木の風が涼しい高原に辿り着くまでに約6時間もかかる。これでは体が持たない。また、黒岳方面はもう二回も通っているし、最初に欲張って愛山渓温泉からトムラウシ温泉までの全縦走はとんでもない労力で、止めてよかった。
6:05旭岳ロープウェイ 1300
6:30姿見駅
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   姿見の駅から裾合平までずっと歩いている間、まわりは本当に静かで、けれども空気は冷たく、逆に太陽はそこを通してほんの少し暖かい。この感触は京都のお寺の特別公開でも感じた。法然院や霊鑑寺で、あたりはしんと静まり返り、話す言葉も小さくしないといけないような感じで、風はひんやりと冷たく、ストーブやお茶の温かさがとても心地よかった。正月の大窪寺もそうで、そのような環境や雰囲気を求められているのかもしれない。雪が珍しく降った朝、町中がしんと静まり返っているのも好きだ。
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イメージ 27:20裾合平 裾合平へ迂回して中岳に抜けるルートは、とても眺望が良く、道もきれいで気分がいい。
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イメージ 47:508:10岳温泉
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イメージ 9  天然の露天風呂に入る。青空の下でほんとうに気持ち良かったが、泥や砂もある。ただ、湯面の上の方は少し熱くて、ぬるい湯よりは清潔に感じられる。ただ、お湯につかってのんびりと快適に感じるよりも、北海岳から南へ延びる高根が原や神々の庭、黄金が原のある南方面へとはやる気持ちの方が強かった。夜行の急行大雪で満足に休めなかった疲れを、温泉で洗い流す程度でも十分だった。
イメージ 11岳温泉のすぐ後ろから急登となる。それをジグザグに登り切って、さらにだらだら坂の尾根を進むと中岳分岐に出る。もうすでにダウン気味であった。
8:45中岳分岐
イメージ 12 7年ぶりにお鉢平の全容が見えた。晴れているので、黒岳や北海岳、間宮岳などが全部見えると案内狭く感じられる。何の予備知識もなく登った7年前に感じた神秘的な気分は、天気がいいのと登山客がけっこう多かったせいで、あまり感じなかった。これから、ロープウェイからはるか遠くに見えた化雲岳やトムラウシへ行くことを考えていたので、僅かな時間で到達できたおこのお鉢平がずっと近くに感じられたからかもしれない。
イメージ 13:05間宮岳 7年前に黒岳から縦走していった間宮岳と旭岳の間の谷が見える。死にそうに辛かったところだ。
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イメージ 209:50北海岳 昔ここに立った時に、平原の中をなだらかに南へ続いている道にすごく心魅かれた。柏倉とは逆方向の白雲岳方面から歩いてきた想い出深い道だ。
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イメージ 2410:50白雲小屋 先を急いで白雲岳まで来る。白雲岳の小屋は結構高いところにあり、見晴らしもよく、友人と強行突破した緑岳がすべて見え、すべてを一望すると以前とまったく印象が違う。
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 以前は霧の中で何も見えず、南の方はどんなに険しく奥が深いのだろうかと思っていたが、そうではなく、緑岳はお鉢平を火口とする大きな山の端にちょこんとくっついている程度で、白雲岳避難小屋も相当高度のある場所にあり、まるで鳥取三仏寺が岩肌にくっついているような感じだ。快晴ですべて見渡すことができて初めて分かった。大雪はお鉢平を中心とする大きな山と、トムラウシの周りにある一群の山々を中心として、間に忠別岳や五色岳が結び目の役目をして連なっているのだ。南の十勝、美瑛岳、オプタケシテなどはそれぞれ単独の山が一直線に連なっているという感覚だ。小屋の屋外に食事用の木のテーブルがあり、そこで昼飯を取ることにした。昨日、網走のデイリーストアで買った鮭入りの弁当だが、冷たくなっているし、運動後にすぐ無理に詰め込むような感じで、水筒のウーロン茶の方が美味しく思われた。しかし、何にせよ、風は涼しく、ほんとうに気持ちの良い昼飯だ。途中、かわいいシマリスが周りをうろつき始めた。すばしっこく動き回るので写真を撮りづらかったが、前に座ったおじさんが米粒を少しばら撒いてやると、近寄ってきて一生懸命に食べる。私も何かやるように手招きすると、少しずつ近づいてきて、つい手前まで来たところでパチッとシャッターを切ると、びっくりして50cmくらい飛びのいてしまう。それでももう一度待っていると、恐る恐る近寄ってくる。よく顔を見ると震えている。
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これ以上構うのも悪いので、支度をして小屋を降りていき、高根が原に進んでいく。これから目指す忠別岳が遥か向こうの方に見えるが、道は比較的なだらかなようだ。