2003年4月23日~26日「玉川温泉」

2003423日~26日「玉川温泉
423日(水)
 8:00選挙カーの煩さでぷっと起きる。
 9:24所沢下山口自宅発
11:02上野発 こまち11
13:58田沢湖
 バスの待合所がマナーの悪いおばはんでごったがえす。ちょうど雨も降っていて中に入るしかないのに、入口にたむろして入らせない。こんな人達に選挙の投票をさせても結果は目に見えている。
14:20田沢湖 バス1,420
 左隣の先頭座席に座っているおばはんは、人を押しのけて景色のいい席に座り込んだくせに、寝ている。寝るのなら人を押
しのけて座るなよ!でも、そのようなマナーの悪い人たちはほとんど乳頭温泉行きだったので、5分後に私が乗車する玉川方面八幡平行きに乗る人は少なく、最前列に座ることができた。途中で新玉川温泉にも寄るが、とても新しい大きな旅館で、バスから降りるお客さんを5人の従業員が出向かえに待っている。しかしここは岩盤浴が無さそうだし、せっかく遠くまで来たんだから本家本元の玉川温泉の方がいい。
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15:38玉川温泉着(ラジウム含むph1.1
イメージ 3玉川温泉に到着してバスを降りてフロントに行くと、自炊部は反対側の棟であった。ここは素泊りで3,500円で、ガス使用料は無料だが、鍋や食材は自費だ。ここで借りることもできる。朝と夕食を頼む場合は別に3,500円必要となる。5人部屋に通されるが、思ったよりも広い部屋だ。
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入ってまだ4日目だという親切な田舎のおっちゃんに案内されて部屋に入ると、2人先客が寝ていた。そのおっちゃんにいろいろ説明された後、二人にも挨拶して、早速風呂に入る。
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木造りの浴槽で長く広い。入ってみると成分が濃く、舐めてみると酸っぱい上に塩辛くて苦い。色は緑がかった透明気味で、川湯のKKRか、父母と泊まったことのある温泉の明ばん泉に似ている。しかし湯はそれらよりも酸っぱい。少し舐めるだけでも感じるくらい酸っぱい。さらには目が開けられないくらい濃い。酸ヶ湯や川湯よりも濃いと感じる。浴槽には源泉100%のところや、50%で温度別のところ、そして足湯や頭を浸す湯、たっぷり汗もかける蒸気サウナもある。ここの蒸気は酸性なので、吸っているだけでも効果がある。バスの中で説明が流れていたが、玉川の湯がそのまま川に流れるために田沢湖まで魚がいないくらいキツイそうだ。
17:30しばらく入浴した後、食堂(~20:30)に行くと、既にいっぱいの人で溢れていた。バイキング形式だが、山菜が多く、あとは鮭の切り身焼、牛丼の上にかけるような肉、チャーシューのような肉や魚類、キリタンポ鍋、取り放題のサラダ、それに白みその味噌汁とご飯、梅干、玄米ご飯、リンゴ、バナナなどの果物類だった。一番奥の空いている席に座って戴く。前に座っていた横浜から来た品のいいおばさんが、気を利かせてお茶を入れてくれたのをきかっけに話し始める。食堂のメニューは毎日変わるが、山菜が多くて、今日の分の量でも肉が多いくらいだそうだ。彼女は肝にガンが少し見つかって、手術せずに治したいので湯治に来ているそうだ。先週来て4時間入浴し、1週間置いて今回さらに三日間湯治するそうだ。浴場の二階にある女性の湯治部屋は、カーテンで一人一人が仕切れる寝台のような作りらしい。しかし、大部屋でたくさんの人が打ち解けてうるさく、口下手なこの方は居づらいそうだ。その割には私にはきちんと話しできるのだが。
 食事を済ませて部屋に戻ると、奥に寝ているおじいさんの親戚のおじさんが部屋に来て呑んでいる。若いヘンな青年といろいろ話しているところに加わって、私もいいちこを戴いていろいろ話していると、酔いが回って私もついつい説教調になるからいけない。
20:30話の最中にフッと立って風呂にまた入る。
21:30部屋に戻ると、先ほどのおじさんはもういなくて、みんな寝ている。電気を消して私も床に就く。いつもよく眠れないのに、今日は一気に明け方まで5時間くらい熟睡した。
424日(木)
2:50腕時計の目覚ましで起床し、おじさんについていって岩盤浴をする。思ったより真っ暗ではなくて歩けるものだが、蒸気のせいでガスっていて、遠くの視界は利かない。
3:104:25すでに灯りの漏れている小屋もあるが、人のいない奥の所に入り、奥に詰めてゴザを敷いて寝転ぶ。熱いんだろうと思っていたが、ビニールシートも大丈夫そうだ。素っ裸になってバスタオルを引っかけたまま寝転ぶが、隙間から寒気が入ってくるのと、時折天上から蒸気の滴が落ちてきて困る上、後からどんどん人が入ってくるので、素っ裸で少し恰好が悪かった。次回は浴衣で来よう。1時間強入ったので、隣のおばさんに場所を譲って出る。私の寝転んだところは足元の岩が熱くて、ずっと足を乗せていられない。足裏をその岩につけていたので効果が上がるだろう。
 7:008:30朝食。おかゆなど3杯など食べて、食べ過ぎた。しんどくて、その後ひと風呂浴びて寝ることにする。トイレに行くと黒緑のヘドロのような便がドサッと出てきた。宿便かもしれない。昨日飲んだ源泉が効いてきたのかもしれない。良いことだ。昼くらいまで熟睡して、昼にはみんなが集って昼飯を食べているので、私は起きてまた岩盤浴をしに韓国人の李さんと一緒に行く。
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12:0013:50今度は持参したビニール袋を敷いて浴衣のままで寝転んだ。天気が良くて良かったが、寝ていると岩がだんだん熱くなってきて、10分ぐらいごとに寝返りを打たないと痛い。李さんと一緒に寝て、上がる。あとで従業員に浴衣を外に着て出るのはよくないと、済まなそうに注意された。そのあとおじさんに案内されて神社の前の広い場所に座るが、その下に大きな北投石があり、15分くらい座っていると体にいと教えてくれる。岩盤浴50分行い、次に北投石前で15分座り、最後に内風呂に入る。このサイクルが模範例だそうだ。
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イメージ 1316:4017:30岩盤浴
 テレビ朝日の収録があった。
18:0018:30入浴
19:0019:30部屋に戻り、みんなで話をする。
21:00就寝
425日(金)
 なんか目が覚めて12時くらいから布団の中でウトウトして、2時半に起きてビールを飲みに行く。おじいちゃんがもう出てきて一緒に行くかと聞かれたが、天気が悪くなさそうなので昼に行くと言ったら一人で出ていった。私はビールを飲んで3時になって風呂に入る。開くのを待っている間、大田区でローソン大森中店を23年間やり抜いているお喋りずきのおっちゃんにつかまり、風呂の中から外までついてきて、大きな声で喋りまくられて閉口する。酒を飲んでいてけっこう酔いが回って絶好調だ。ただ、東京の店でセブンイレブンに勝っている秘訣を聞くことができた。商品が他のコンビニとたいして変わらないのに成功している秘訣は、長い間コツコツとお客さんにちょっと便宜をはかってあげたり(財布忘れた人に支払いを待ってあげたり)、小さい頃から知っているお客さんとずっと付き合っていたりして知り合いになっているから、みんなどうせ買うなら馴染みの店でとなっているそうだ。そのコンビニおっちゃんが風呂に弱いので外に出て、相変わらずうるさく喋っていると、老紳士が「あんたの声は中まで聞こえるよ」と言いながら、話の輪に加わってきた。その人は元銀行員で、退職後に経営コンサルタントで全国を回ったそうだ。先日行ったイギリスのモルトの値段が日本の方が安いことなどを聞いたら、どこで詰めたかが大切であることや、日本酒については現地の醸造所で詰めればヘンな商品は絶対に出さないことや、特定の銘柄がいいというわけでもなく、全国それぞれ特色のあるいい酒がある。強いて言えば、大量生産ではなく、小さな、しかもきちんと目を行き届かせている醸造所に行ってみるといいと教えてくれた。うわばみが旨いのは悪いものが下に沈んで行くからだそうだ。私の郷里の香川県で、観音寺中央商店街の振興の仕事もしたらしい。伊予西条の魚がうまいのは、石鎚山といういい山があって、伏流水が流れているのでいい魚が育つそうだ。いろいろと知っていてたいへん勉強になる。264号室の一人部屋にいる飯田さんと言うそうで、後でもう一度訪ねてもっと話を聞いてみたい。
10:40玉川温泉ビジターセンター
酸性 ※PH1単位は10倍ずつ濃くなる。つまりPH1の水を10倍薄めてPH2、1000倍に薄めるとPH4となる。
PH1~2強酸性泉 玉川温泉98℃、9000L/分、PH1.11.2
         草津温泉85℃、10000L/分、PH1.52.0
         那須湯元70℃、 500L/分、PH1.52.0
         川湯温泉62℃、1600L/分、PH1.52.0
 PH2~4酸性泉  蔵王温泉40℃、2000L/分、PH1.23.0
          酸ヶ湯温泉40℃、1000L/分、PH1.73.0
 PH4~6弱酸性  
 PH6~7中性   
 PH7~9弱アルカリ性
 PH9~ アルカリ性
 PH10~ 強アルカリ性
 なるほど、玉川温泉100%源泉に長く入ると肌の弱いところが炎症を起こすのだ。草津や川湯より510倍濃いからだ。北投石(放射性含鉛重晶石)は、他には台湾の北投温泉のみで、南米チリでも類似の鉱物が発見されていたが現在は産出が確認されていない。硫酸バリウムと硫酸鉛が堆積してできる。詳しく言えば、温泉の成分の中から沈殿していき、ラジウムを含むので放射線を出すそうだ。
 12時前に戻って、缶チューハイ2本飲みながら小野寺さんたちと話した。そのあと疲れて13:0017:00まで眠ってしまう。ヘンに酒を飲んでしまったので左腕がうずく。風呂に軽く入って、17:30過ぎに隣の矢野さんと食事に行く。もう今日はご飯をお代わりする気力もない。そして部屋に戻って小野寺さんたちと最後の晩餐となり、一緒に焼酎を飲みながらいろんな話をした。
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李さんと突っ込んだ話ができたのはよかった。金大中金正日と会うために現代グループから600億円もの金を貢いだので駄目だと思っていることや、韓国の若者文化はみんな日本の真似をしていて抵抗感がないこと、結局軋轢を生んでいるのは年輩の層だということなどだ。李さんも乗り出してきてそのような話を元気で大きな声で話したから、体にも生気が蘇り肝臓ガンが良くなることを願った。
426日(土)
 4:00目が覚めてしまう。酒を相変わらず飲んでいるせいか左腕の違和感は消えない。昨夜はヘンな夢を見た。社内の支店でなんかの資格試験があるというので、決められた時間に該当者が行こうとする。その場所とはヘンな下町の住宅地の中にある支店の一室で、支店長や小島さんは時間通りにサッサと支度して出る。受験票などの必要なものをきちんとパソコンからプリントアウトしている。それに対して私は受験案内もプリントアウトしておらず、とりあえず受験票をアシスタントの白井さん(池田さんに似ている)に頼んで出してもらうが、私たちの机のシマではパソコンがうまく作動せず、結局女の子たちに助けてもらって何とか出力し、それを受取って待っていてくれた八木か遠矢に似ている後輩と支店を出る。しかし駅まで行ったところで、スーツを着ていないことに気がつき、後輩を待たせてそれを取りに戻るという夢だった。その上、目的の東西線東陽町へ行くのに反対の電車に乗ってしまい、イライラしているところで目が覚めた。しかし、この玉川温泉ではいろいろあった。同室の人たちに恵まれて人間関係が良かったし、湯治のやり方、岩盤浴の仕方まで教えてもらえた。一方で、一人で自省する時間は逆に少なかった。また、いくら酸っぱい温泉が好きな私でも、ここの濃い強酸性泉には参った。浸かっていると皮膚がちくちくと痛いし、かぶれているところが腫れて湿疹のようになる。痒いからさらに掻いてしまうと、ぶつぶつがすぐに出来てしまう。お尻の痔にも濃い強酸性泉が滲み込んで激痛をもたらす。さすがに昨晩は、少し硫黄を含んでいるのか優しい露天の湯と言われる方に入って痛みを和らげた。これに根気強くずっと入っていたら、弱いところが全部出て、それが治る頃に強い抗体が生まれるのかもしれないが、残念ながら今回はそんな時間がもうない。ただ教訓とすべきは、あと3ヶ月という肝臓ガンを患っている李さんのように、末期ガンの人たちに比べて、私は幸せを感じないといけない。李さんは、健康こそ財産だと言う。細かいことで悩まずに、健康に感謝して、全力で人生を切り拓いていかねばならないと思った。