2003年4月4日~15日「スコットランドモルト紀行」③エジンバラからロンドン編

412日(土)
 4:30目が覚めてしまう。冷やすと左腕が痛くて仕方がない。昨日来ビールを飲み過ぎていたり、オレンジを食べ過ぎていたり、昨夕は極めつけのように挽肉の山を食べたので痛風なのではなかろうか。しかし普通は足に来るものだ。血行の悪い左腕にプリン体が集中しているのだろうか。
5:007:00隣の部屋の人には悪いと思いながら、できるだけ静かに荷物を確認しながら入れ直す。ディステラリー巡りも一巡し、一揃いの土産のショットグラスも買った。あとはエジンバラとロンドンを散策して終わりだ。
8:40シャワーを浴びた後、朝食を戴く。他の部屋の人はちょうど出てしまったところだ。一人で湖を眺めながら朝食を食べる。昨日の母子たちは朝はもういない。おかしな日本人がいると思われたに違いない。
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イメージ 1 9:05支払いを済ませる。宿泊代23
 9:35駅への方向を聞いて、ゆっくりと道に沿って歩いていくと、誰もいない駅に着いた。
10:03 Arrochar & Tarbet Station
11:21 Glasgou
11:30  発
12:17 Edinburgh 着 JCBカード100£出金19,710@192.995(残131.15£)
13:00ユースホステルHight Street Hostel12
13:10スコッチヘリテイジセンター、ショップに酒が並んでいるが、特に欲しいものはない。ミニチュアボトルが145£で、ショットグラスは5£。
13:2014:30エジンバラ城 入場料は8.50と高い。城内は予想通り広すぎていろいろなものをたくさん展示しているが、しまいには疲れる。
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イメージ 414:4015:00国立スコットランド博物館、印象派などの絵は無くて、あまり関心のない中世画ばかりなので一周してすぐに出た。モネ展を8月からやるみたいだ。ロイヤルスコティッシュアカデミーは閉鎖して工事中だ。ビール22.90
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イメージ 915:30チェックインできる2時以降の時間になってユースホステルに戻り、部屋に荷物を入れるが、やはり雑魚部屋だった。安いとは言ってもこれではプライベートも何もなくしんどい。明日のロンドンでは安くともホテルを探そう。
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 Coal Ila 12年 2.4£ 強いアイレイの個性
 Macleads Island 8年 1.95£ ヘンな香りがするが飲み心地はいい。Dry Saltynose Sweet Smoky and mainly palate そう言えば少ししょっぱい香りにも思えるがヘンな感じで、香りほど味が濃く無くてアンバランス。
 Tobermory Mull島の酒。めちゃくちゃ変わった香りがする。2£、味はとてもおだやかでsmooth
 Benn Nevis 15年、3£、香りはきつい。喉にツンと来る。辛口、スモーキーで個性はある。しかし舌が飽きてくる辛さで、それほどまた欲しいとは思わない。
 Isly of ArranとキャンベルタウンGlen Scotiaがなかった。ショット試飲支払合計9.35。ガラスの瓶入れ8.5
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17:4518:15マクドナルド フィレオフィッシュとポテトのセット3.29
 こちら側から見るエジンバラ城がとても美しい。
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イメージ 1619:00カールトンセル
 今日もいい天気に感謝。ちょうど日が暮れかかっている。ここからホリルード宮殿からエジンバラ城までのロイヤルマイルが見渡せる。結構スコッチウィスキーを飲んで酔っ払っているはずだが、もう2時間も歩いている。酔いは醒めてきたが、左足先がピクピク痛み始めた。痛風が心配だ。
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イメージ 1819:20ロイヤルマイルを通る途中の売店でフェイマスグラウスを4.85で買う。しかし、ホリフィールド宮殿からニマハントリーハウスまではほとんど何もなかった。
19:30ユースホステル到着。シャワーを浴びてコンタクトレンズを外した。今ようやく20時になろうとしている。左腕が痛むままこの雑踏のような場所で日暮れを迎えるのには不安がある。英国人か米国人がなんかぺラペラ喋って煩い。出るなら早く出て行って欲しいと思ってしまう。元気な時はユースホステルでもいいかもしれないが、しんどい時にはこれはきつい。煩い外国人、お喋りめ、もっと落ち着いてゆっくり静かに喋って欲しい。ホント、いつ終わるかわからないようなお喋りには頭にくる。早く片付けて、出るなら出て行って欲しい。しかし、宿泊料が12£とはいえ、これでは落ち着かない。やはりオフシーズンを選んでB&Bか安ホテルに泊まれるようにしたい。これでハイシーズンだったらどうなることやら。今やっとあのお喋りが出ていった。本当に煩くて辟易とする。そうしてやっと静かになると思いきや、今度は周りのベッドの連中が戻ってきた。ハーイと挨拶してくる。悪い奴らではなさそうだが・・。さてあと二日だ。どうしようか。まず明日はブリットレイルパスで行けるだけ行くことにしよう。ロンドンまで一気に戻るか、それともどこかに寄っていくことにしようか。
20:30就寝

413日(日)
 7:30起床 寝苦しくて、しかも長い夜だったので何度も目が覚める。明け方から目が覚める。昨晩は23:30から1:00くらいまで起きたり寝たり、しかし電気はつけられないのでただじっと横になっているしかなかった。周りの人間たちは2時になっても帰ってこない。地下の食堂で騒いでもいるのか。朝も起きたり寝たりだったが、夜半に腫れていた目や咳はだいぶん治ったようだ。朝起きて顔を洗うとすっきりした。8時まで寝ていようかとも思ったが、一度目が覚めたら駄目なので起きることにした。さあ、8時には出発しよう。ユースホステルはやっぱりしんどい。プライバシーがないから。
 8:00出発
 8:17駅構内のバーガーキング 2.59
 フェイマスグラウス(マッカランとハイランドパーク)を飲みつつ、車窓の風景を眺める。今日も天気がいい。長いようで短いスコットランドの旅ももう明日で終わりだ。というか、今10:30位だけど車窓には広々とした牧草地が広がってハイランドのような起伏に富んだ風景とはまったく異なったものになってしまった。スコットランドはもう昨日で終わったのだ。着いたら適当に考えようというような無計画な感じで来てしまったが、スカイ島までの試行錯誤だけで、あとはそれを教訓にしてスムーズに過ごせたと思う。ただ英語はカタコトしか話せないから本当に突っ込んだ会話ができない。それが旅の限界を示している。それをカバーできたのが若干モルトに対する知識や、登山などの専門能力なのかもしれない。何かで得意なものがあれば必ず尊敬されるし、ブロークンイングリッシュでも相手がきちんと対応してくれる。それは感じた。毎日、イラク情勢をテレビがやっているのでそれを視るしかないのだが、関心も強いこともあり結構面白く視た。これをずっと続けていたら、いずれかもっと聞き取りができるようになるかもしれない。どんどん易きに流れる人生だが、これが自分相応の能力と思えば仕方がない。学生の時に努力していれば人生が大きく変わったであろう事もわかる。でもそれができなかったのだから仕方ない。もしそれで無理していい会社に行けても、たぶん駄目だっただろう。自分が無理せずやれる仕事が本当に必要なのではないか。それでも、他の成功している人たちのことを思うと悩んでしまう。でも借金はない。何のしがらみもない。この程度の能力であることも認めざるを得ない。特別に選ばれた人間ではないのだ。だから人に迷惑をかけずに、身の丈に合ったやれることをやるしかない。それで自分のささやかな夢、自然に囲まれた田舎での静かな生活を実現できればそれで良いではないか。うどん屋になって自分で北海道に店を出し、道東に民宿を持つ夢もある。その上で食文化の貧しい欧米や、中国にも進出する。そんな壮大な馬鹿げた夢もある。たとえ身分が格好悪くなくても、例えば不動産会社でノルマに追われて何を目指すというのか。不動産鑑定士建築士?その資格を取るのは夢ではあるけれども、仮に5年後に資格が取れても、それでどうするのかというビジョンが描けない。一般の人生に戻るにはもう年齢が遅すぎるのだ。さらにノルマに追われてもっと時間の無駄を積み重ねるリスクもある。そんなノルマ社会には私は不向きなのだ。忙しい仕事、体を使う仕事の方が自分には向いているのだ。Famous Grauseは確かに飲みやすい。すべてをリセットしてやり直すのだから、相応の覚悟は必要だ。でもやるしかない。空海が持帰った「うどん」を中国だけでなく、世界に逆輸出させてやろうではないか。しかしこれは黙っていよう。黙って自分の感性と今までの経験を生かすようにしたい。道東での台湾人、香港、上海の裕福な人向けのツアーもどうだろうか。単に雪だけではなく、糖尿病に効く温泉に数日湯治し、熊の湯にも案内する。そして中国人専用のカラオケパブを町内の店と一緒に提供する。ホテルやコテージ内から出させて、もっと現地に入っていく体験が大切なのだ。みんなが飽きてきたら寿司屋や居酒屋なども案内する。使う金額の上限を決めて会計を明瞭にしたうえで欲しいものを食べてもらう。南国にはない雪の露天風呂やスキーが体験できて、北の味覚も味わえればいい。今11:00で車窓には菜の花のような花のついた草を、あのヤマブキ色の棘のある低木が一面に咲いていて美しい。しかしよく考えるとこれは富良野の風景と似ているのだ。やはり北海道をよく似ている。
13:47 Peter borough 着 タマゴサンドとウォーター3.43
14:26 発
15:05 Ely
15:40 Cambridge 着 バス0.90
16:20バスで市街地に行ってぐるっと歩いてみるが、博物館以外は学生時代の旅行の記憶は何も残っていなかった。この程度の思い出だったのだろうか。
17:31 Cambridge
18:30 London Kings Cross着 CentralHotel 30
 電話をかけるのが面倒くさくてキングスクロス駅前の地球の歩き方に載っていた安ホテルに直接行った。なんかしんどくて、もうこれ以上他を探したりする気力もない。朝食付きで30£だった。荷物を置いてすぐ外に出て軽食を取る。
 マクドナルド1.99
 すぐ近くのチャイニーズレストランで、ベジタブルヌードル、シーフードチャーハン、タイガービール350ml 9.60
 売店でビール2本購入 3.20
20:00部屋に戻ってシャワーを浴びたところだ。明日行くところを考えていたら21時になった。ロンドンもエジンバラケンブリッジも、都会はしんどい。スカイ島やダフタウン、そしえ愛しいアイラ島、ジュラ島がとても落ち着いて滞在できた。宿でゆっくりテレビを見ていてもいいし、外へ出てもマイペースでビールでも飲みながらのんびり歩ける。やっぱ、私には都会は合わない。静かなところで暮らしたい。ただ、テレビやネットで世界情勢がわかるところで暮らしてみたい。やはり道東に住んでみたい。ボウモアの白い街並み、そしてすぐに海があり、道を登れば丘に教会があり、そこから夕陽も眺められる。広大な牧草地があり、人気の少ない街並みは妙に落ち着く。のんびりとした空間がほんとうに心地よかった。ディステラリーの人達も気さくで話し易かった。これが観光客で混んでいたらどうだっただろう。ナチュラルイングリッシュについていけない私はとてもストレスを感じていただろう。マイペースで、11でいろんな人に触れ合えて、いろいろなことができた。やはり田舎がいい。

414日(月)
 いよいよ最終日だ。今朝も1時半くらいに目が覚めて、眠り薬に買っておいたハイネケン1本飲んでしまう。相変わらず左腕は痛いし、咳も少し出て風邪気味だ。でもそれから7時くらいまではノンストップで眠ることができた。
 7:30起床
 8:00とても簡素なブリティッシュブレックファーストで、卵1個、ベーコン1枚に、あのトマト煮の豆で、紅茶のお変わりがせいぜい2杯くらいの量しかない。田舎のB&Bの方がとても親切にたっぷりな量を出してくれる。だが、毎日このパターンの朝食だとさすがに飽きるなぁ。日本人は朝はご飯とさまざまな種類のおかずの方がいい。
 9:00ホテル発 
JCBカード50£出金9,821@192.668(残80.05£)
 9:16 KingsCross Underground 荷物預け5、地下鉄1.6
 9:3010:20シャーロックホームズ美術館 入館料6.00黒い帽子を買う10.00
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10:45ロンドンダンジョン 地下鉄1.60
 めちゃ混んでいるし、入場料が12.50£と高いので入るのを止めた。家族連れが写真を撮りまくっている入口の雰囲気で何となくわかるが、どうも気後れした。
11:2011:50ナショナルギャラリー(無料) 地下鉄1.60
 広い館内を30分かけて一周して中世の宗教画や肖像画を通り過ぎ、ようやくお馴染みのターナーから始まって印象派に続くフロアに到達した。ゴッホのある部屋で「黄色い椅子」「ひまわり」「糸杉」などの見覚えのある絵が並んでいる。中世画は知識がないこともあって見ていてしんどい。モネなどもいいけれども、やはりゴッホが主題がはっきりしていて見ていて落ち着く。ゴーギャンの「Vase of Flowers」もゴーギャンにしてはまとまっていて、青い葉や赤い花が美しい。実物ではなく、イメージで最高の花を描いたらしい。ゴッホの「Sun flowers1888年は、黄色は希望と友情を表し、associatedしたゴーギャンが来る時に彼のためにゲスト用のベッドルームに掲げるほど気に入っていたそうだ。
12:1012:20エントランスホールのソファーに座って一休みする。ゴッホゴーギャンを見られて一安心する。恥ずかしながらこれしか知らないから落ち着くのだろうか。でも、物事がはっきりしているので安心して見ていられる。中世画のように意味がわからずもやもやしたり、不安感を感じたりすることが少ないように感じる。中世画や細部まで描き切った写実画は驚くほどの技術があるが、たとえば往時の繁栄ぶりを写真のように記録した、そのような感じがする。古いものでも、それぞれの時代に突出したものを感じさせたから巨匠なのだろう。しかし、あらためてゴッホは後世の人たちに、さらには私のような無知な者にまで何かを感じさせる凄さを再認識する。言葉も通じず、時代も違う、世界中の人達にものすごいインパクトを与え続けているのであるから・・・。飽きっぽい私でも、ここで見ていたら時間がどんどん過ぎてしまう。相応の価値があるのだ。
12:20中華街などが多いSOHOまで歩いていく。
12:5013:20 ビュッフェ式タイレストラン 6.00
13:30 Lester Square 地下鉄1.60
13:5014:30科学博物館(無料)
 蒸気機関から実物大のアポロ着陸船まであるが、相変わらず量が多くてとても疲れる。
14:4015:30ヴィクトリア&アルバート博物館
 めちゃめちゃたくさんのものが展示されている。超バカでかいトルコ絨毯、大きさギガサイズのラファエロの絵、陶器もガラス工芸品も彫刻も、これでもかというくらい陳列されており、もう広すぎてわけがわからない。知識を持ち、テーマを絞って見ないとわけがわからない。ただ、中国コーナーの細い木で作られた椅子や机は美しい。ボヘミアンの繊細なガラス工芸も美しいものが多かった。中国陶器は器全体の色が薄桃色だったり、青色や水色の美しいものもたくさんあった。ガラスに繊細な模様や色をつけたものはヨーロッパは素晴らしい。しかし、ラファエロもこんあバカでかい絵を何枚もよく描いたものだ。
16:05ハイドパークのスピーカーズコーナー
 学生時代の旅行でここに来た時、黒人のおじさんがみかん箱のような箱の上に立ち、数人の人に向かって演説していた。どんな高尚なことを話しているのだろうかと聞いていたら、どうもたわいもないことだったのを記憶している。近ごろの若い者はけしからん。彼女を一人だけ持てばいいものを、二人三人とガールフレンドを作るので、自分たちおっさんには一人も回って来ない。そんな笑い話だったように覚えている。