2003年4月4日~15日「スコットランドモルト紀行」②アイラ島編

49日(水)
11:17 OBAN
イメージ 1 まず、フェリーターミナルでアイラ島への時間を確認してチケットを購入した。10.85£ そしてインフォメーションに行くが、スカイ島と同じようにB&B一覧のある冊子が見つかったので、自分で電話してみようかと思う。
12:30 OBAN蒸留所 入館料4
グループ企業 ラガヴーリン1630£、OBAN 1433タリスカー27£、グランキンチー1025
市内の売店 ボウモアLegend 20£、ラフロイグ 25アイルオブジュラ1025
 蒸留所の売店でオリジナルのミニグラスを買おうとしたが、OBANのマークが入っていないので止めて、少し大きめのテイスティンググラスを5で購入する。案内のおじいさんに日本語翻訳の説明書がないがいいかと済まなさそうに聞かれる。でも、土の塊のようなピートを手掴みさせてくれたし、ちょうど大きな釜に入れて粉を機械で自動的に掻き混ぜ始めた所が見られた。案内爺さんは私が英語がわからないと甘く見ているようだったが、質問したり、最後にラガヴーリン2倍も高い日本との売価差を指摘すると、しばらく考え込んでいた。次の案内の時間が始まったので、しょうがなくそのままGoodbyeと言って別れた。それから1時間、今晩の宿をどうするか迷いに迷ったが、結局どうするか決まらないままにウロウロしてしまい、2時半近くになってしまったので予約もせずにアイラ島への船に乗ってしまった。
イメージ 215:00オーバン港発 10.85
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イメージ 416:00食事、まずいチキンカレーとビール500ml  6.95
18:45 Port Askaig
イメージ 5バスがないのをフェリーの係員のおばさんが気の毒に思って、ボウモアの頼りになりそうなおばさん(Mrsアンダーソン)を教えてくれて、その家まで車に乗せて連れて行ってくれた。
19:30 MrsAnderson 49 MainStreet Bowmore Isle of Islay PA43 7LB 01496-810202
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イメージ 6B&BMrsアンダーソンをようやく探して、荷物を置かせてもらい、近くのスーパーでビールとオレンジを買う。5.90 このスーパーで売っているウィスキーの値段は700MLで、OBAN 1427£、アードベッグ1034.40£、ラフロイグ1224£、タリスカー27£、マッカラン1024£、ボウモア1528£、ボウモアレジェンド22£で、日本より高い。
20:1021:00ボウモアホテル
 スパーで買ったビールなどを宿に置いて、アンダーソンおばさんから食事の場所を聞いたボウモアホテルに行く。最初に私は間違って地元の人専用の扉から入ってしまい、丁重に外来の方へ通された。地元の人とホテルの外来客用のホールを分けていて、地元のホールに誤って入ると4人のおっさんたちが同じように1パイントのビールをあまり空けないままに、あーでもない、こーでもないと喋っていた。ホテルのマスターが場違いに迷い込んだ私をヘンに愛想よく中へ中へと連れ込まれて、異邦人専用のスペースへ誘導された。先ほどの地元専用スペースは向こううの方になり、地元のおっさんたちとマスターがテレビを観ながら大声で笑っている。でかい声でアハハハハ!と低知能指数丸出しの笑い方で、まあ、悪い人たちではなさそうだ。よく反省すれば、ルールも知らずにずかずかと迷い込んだ私の方が無神経で、遅い時間に入ったにもかかわらず地元の人の好意に許されて幸運だったかもしれない。私はそのホテルバーで、シーフードパスタとサラダに1パイントのラガービールを頼んだ。
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マスターが薦めるBRLUCHLADDICH(ブルーイックラディ)15年を初めて飲む。酔っているので香りはアテにならないが、マイルドなスモーキーさを感じる。そしてスパイシーで、舌の上でころがすとツンとくる余韻が長い。辛口だ。余韻の長い辛さだ。マスターが最初に香りを嗅げと言ったのがわかる。香りがとてもいい。スモーキーな香りでも、とってもスパイシーでもある。他のモルトも明日からいろいろ比べてみよう。ここのマスターは声がでかくて大きな笑い声で盛り上げるが、とてもきびきびして気持ちがいい。アンダーソンおばさんのところに泊まっていて、彼女から聞いてきたと言うと、なぜ私が迷い込んだかかようやく理解してくれ、名刺を出して数日いるのならまた来いと言ってくれた。
 BowmoreHotel Peter Mchellan 01496-810-416 Jamieson StreetBowmore Islay Argll PA43 7LB
 シーフードパスタ(一般的な2倍の量)11.95グリーンサラダ(同じように倍の量)1.95 1パイントラガービール 2.10 ブルーイックラディシングルモルト5.00£ 21
21:40 B&Bに戻り、風呂に入って出ると、外の居間では同宿人がテレビを見ている。私もそこでビールを飲んで明日の計画を練ろうか。同宿人はOBANのファーマーだそうで、日本の福島に3週間旅行して温泉にも入ったことがあるそうだ。物価が高いのは想像通りだが、私がここの食事やモルトウィスキーの値段が高く、特にラガヴーリン2倍も高いことを教えるとあきれていた。彼はTAXのせいだと言う。もう一人同宿するおじさんが帰ってくるが、ソファーに座ってすぐに寝込んでしまった。OBANの人は赤ワインを持って静かに部屋に戻って行く。私もトイレに行ってテレビを切って部屋に戻る。BBC放送は、今日イラクを制圧し、民衆がフセインの像を倒すのを繰り返し放送していた。
22:40就寝、相変わらず左腕が痛い。寒くなると余計に痛むような気がする。左肩から背中の方にかけては痛まなくなったが、左腕は何とか治さないとまずい。毎朝ものすごい量の紅茶を飲んでいるので便の出もよく、痛風の方もは今のところ大丈夫そうだ。

410日(木)
 7:00起床、荷物を片づけて今後の予定を考え直す。今日、ラガヴーリン方面に行き、一日この島でゆっくり過ごす。明日はジュラ島に渡り、その間の空いた時間にカリラとブナハーブンに行って、そして15:30のフェリーで島を出ることにする。そうすれば明後日のエジンバラでゆっくり時間が取れる。今日は自転車を借りて島内をゆっくり回ろう。
イメージ 99:20郵便局でレンタサイクルの料金を聞いたら10と高くて少し考えたが、バスはもう行ってしまっているので仕方ないと割り切って借りる。荷物を入れる籠がないので、宿に戻ってザックに入れ直して肩に背負って出発する。向い風でほんとうにしんどかった。その上、牛の糞の臭いが一面に漂っていて臭い。しかもポートエレンまでが滅茶苦茶遠かった。
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イメージ 1210:30ようやくポートエレンに着く。向い風のせいで時間がかかってめちゃくちゃ疲れた。中間点の空港からポートエレンまではヘトヘトで、結局1時間10分もかかった。ポートエレンの入口の海岸沿いのベンチに腰をおろし、オレンジを2個食べる。天気はとてもいい中、何もない真っ白な壁の続くポートエレンの街を通り抜けて、ラフロイグラガヴーリンを横目に越えていく。アップダウンはあるが、羊たちがヤマブキ色の木の近くで草を食べていてのどかだ。
11:08 Ardbegディステラリー着
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イメージ 13 GUREN MORAYのグループで、ミニグラス1.95で購入。銀の丸いウイスキーボトルは1836ポンドで購入断念する。Ardbeg 21100£、1024£、1977Vintage 69アードベッグからまた引き返してくる。
11:301230 Lagavulin
 ちょうど係の女性が外にいて、誰も他に客がいなくてゆっくりできた。
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ここが最も来たかった蒸留所で、日本でもよく飲ませてもらっていると伝える。サントリーボウモアマッカランを買収したが、樽ごと運んで日本で瓶に詰めるから味が落ちるのかと聞くと、頷いた。ラガヴーリンスコットランドでボトルに詰めるそうで、プロがきちんとテストして詰めないと駄目だと話す。機械を扱う男性とも話ができた。子供がいろいろいるが仕事がないそうだ。私はボウモアから自転車で走ってきてとても疲れたことなどを話す。ラガヴーリンで流れている川は茶色がかったピートから流れてくる水で、これが独特の風味を作るのだ。
ポロシャツとグラスセット購入カードで52(10,036)
12:3512:50 Laphroaig ショットグラス 3
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14:00ボウモアに自転車で戻る。疲れた。左肩が痛い。
 町中のインフォメーションで相談すると、親切に時間などを確認してくれて、明日はArrochar(アラム)のB&Bを予約してくれた。その上にジュラ島への渡り方やバスの時間も確認できた。とても親切なのに無料なのも悪いので、島の布の地図を3で購入する。
15:0016:00ボウモア蒸留所
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 フェリーの女性職員から教えてもらったクリスティーンという女性職員はおばさんだった。日本から来た私を歓迎してくれて、3本もテイスティングさせてくれる。
イメージ 25 Bowmore12年をいずれも違うカスク2年間寝かせる。
  DARKEST シェリー樽のために甘い香りがする。
  DAWNPort Casked)一番軽い。
  DUSKClaret Casked)後味がそれほど辛く無く、何か不思議な香りがする。
 ボウモアの丸箱に入った2個の丸みを帯びたグラスが2と安いので購入する。
16:00宿の部屋に戻り、BBC放送を見ながら荷物を思いっきり整理する。地球の歩き方もこれから必要なページ以外はすべて破いてインフォメーション前のゴミ箱に捨てる。
イメージ 2618:0018:40まだ日が高いので近辺を歩く。日没ごろにもう一度来て夕陽を写真に撮ろう。隣のスーパーでビール2本買う。1.54。日没は20時くらいだ。20時になるまで、テレビのBtoB SkySatelitteイラク情勢のニュースを見ながら、ソファーに寝転んで時間をつぶす。やっぱりお金をためて道東にコテージ、民宿を作りたい。そしてアイラモルトを揃えて、今回の旅で購入したショットグラスで飲めるようにしよう。しかし、ずーっと天気が良くて雨が降らない。夏のように暖かくもあるそうだ。当然のことのように感じているが、とても幸運だそうだ。今日行ってみて、ポートエレンからアードベッグまで歩いていくのはいんどい。自転車もしんどかったけれども、気候が良かったから行けたのだ。とても頑張ったのだが、天候にもたいへん恵まれたのだ。これだけ幸運に恵まれたのは、これからの人生が正しいと天が祝ってくれているからなのだろうか。
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イメージ 2720:10ようやく太陽が西の山際に接してきた。
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イメージ 3020:2021:00ボウモアホテルのピーターの所で、今日飲めなかったアードベッグを飲む。香りは無いがしっかりとしたアイレイのモルトの味がする。しかし酔って疲れているかもしれないが、ブルーイックラディの方が香りがいいように思える。次にラフロイグを頼むが、ヨードチンキのような香りがする。でもとてもスムーズでおいしい水のような感じだ。とても口当たりがいい。アードベッグの方が味が濃く、それぞれがいろんな個性を持っている。マスターのピーターのバカ笑いがとても面白い。彼はドイツ人のようにはっきりとしたアクセントで話す。ブナハーブンも変わった味がする。ピーターにそれぞれの印象を伝えると、「Thats Right!」と言ってくれる。ブルーイックラディの香りが一番よくて、この島のみんなの受けがいいそうだ。ピーターにお気に入りのモルトを聞いたところ、ウイスキーは飲まないと言って笑わせる。明日出発すると言って会計をすると6だった。安い。日本の知人にこのホテルを紹介したいと言うと、ホテル代が一人30£だと教えてくれる。最後にピーターの写真を地元用バーの方で撮らせてもらって帰る。
イメージ 3121:30風呂に入ってシャツや靴下などの下着を洗う。今晩は誰もいなくて、この建物を独り占めだ。いろんな面で幸運だった。今日は自転車を向い風の中で長時間こいで、本当に疲れた。
22:15就寝

411日(金)
 8:00朝食、MrsAnderson30分くらいいろんな話をした。昨日自転車こいで疲れた上に、ディステラリーで飲み過ぎ、最後のトドメにボウモア蒸留所でクリスティーンが3杯飲ませてくれてダウンしたことなど伝える。一日中飲んでいたのねと彼女は笑っていた。そして、スコットランドが言葉や発音がドイツに似ているし、勤勉なのはそのせいかとも思うことや、イングランドに搾取されていること、この島は4000人しか人口がなくて、娘さんがブナハーブンに、その旦那がボウモアに勤められていることは両者とも優秀だったからとか、たったこれだけの島民人口で英国経済の大きなシェアを持っていること、そして彼女がニュージーランドやいろんな所に旅していて、孫がやっているスコットランドの踊りについてアメリカにも行ったことがあるなど聞いた。2泊分宿泊料40
 8:55ボウモア発 バス1.30
 9:17 PortAskaig
10:00 Coal Ila  徒歩で向かうが、月~木しか売店は開いていなかった。気の毒がった会社の人が、テイスティンググラスをプレゼントしてくれる。
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イメージ 3210:35 Port Askaigに戻る。
11:15発 フェリー往復2
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イメージ 3411:20 FeolinJura島)着 バス2.40
11:40 Craighouse
イメージ 3713:00 Isly of Jura 見学。オーナーが親切に案内してくれる。内容はだいたい聞きとれた。島は170人しか住んでいなくて、多くの人がこの蒸留所に関わっているそうだ。工場は9人の技術者が動かしていて、Port Askaigから出荷するので輸送費がかさんでしまう。16年物、21年物と特別なものを三つテイスティングさせてもらう。甘い香りの21年物はやはりシェリー樽を使用している。昨日にボウモアのインフォメーションから連絡してくれており、待ってくれていたのだ。蒸留所内を40分ほど歩いて帰ってきたら、扉は閉まっていてもう人がいない。インフォメーションで予約してくれていて本当にありがたい。ショットグラス、ポロシャツ、帽子20(3,860)カード購入
イメージ 3813:00蒸留所を出て、教会を越えて20分ほど先まで歩いて行ってみる。アイラ島から見ると恐竜島のように見えた山が、ここからはもう一つよく見えない。でもいい天気だ。風も少なく暖かいし、何より島民がみな親切だ。この先の島の北端で、「1984年」を執筆したジョージ・オーウェルが晩年を過ごしたそうだ。
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 バスで戻る。バスのおばさんが途中にある小さな滝を教えてくれる。丘の向こうから流れてくる小さな滝で、あれがディステラリーの水だそうだ。フェリーにまた乗ってPort Askaigへ再度戻る。Kennacraigへのフェリーのチケットを7.55で購入する。係のおばさんに、一昨日にいた女性職員のおばさんにボウモアまで送ってもらってたいへん親切にしてもらったことを感謝していると伝えてもらうように頼んだ。それと、ジュラ島に渡って有意義な時間を過ごせたこともボウモアのインフォメーションの女性に感謝しないといけない。たいへん良かった。
15:30 Port Askaig出港、アイラ島を去る。
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イメージ 4217:30 Kennacraig港着 フェリーターミナルと言っても売店もない小さな建物で、他に何もない小さな港だ。バスはすぐに分かった。
イメージ 4618:00バスで出発 8
20:10 Arrochar
20:15 B&BGreen Bank」 着 Arrochar 01301-702305
イメージ 47 バス停のはす向かいに予約したB&Bがあった。なんと湖畔の観光地で、レストランも兼ねているようなB&Bだった。周りにホテルが建ち並び、その中でレストランを主に営業していて、その2階をB&Bとして簡易宿泊で貸しているような宿だ。バスが付く時刻に近づいても町らしい町は見えてこず、荒野をいまだ突っ走っているのでちょっと不安にもなったが、景勝地に安く泊まれて良かったのかもしれない。
21:30一階で食事を取る。メニューが何だかわからないので、スコットランドのオリジナルコースをビールと13.15で注文する。まずは、麦や野菜の入った素朴なスープ、メインはイモとニンジンをすりおろしたものを煮た様なものに辛い味付けの挽肉がてんこ盛りになった皿だ。最後は少し辛かった。そしてデザートだが、メニューにはスコッチモルトorデザートと書いてあったのを早とちりして、モルトを頼もうとしたけれども通じない。メニューを見返すと「スコッチモルトウィスキー風味のアイスクリーム」と表示されており、思わず笑ってしまう。モルトが飲みたければバーにどうぞと言われてしまう。おかしいと思ったら考えないといけないなあ。モルトウィスキー風味のアイスクリームは。まあ素朴な味だった。貧しいスコットランドの食事の一例なのかもしれない。お腹は一杯になったが、正直お世辞にも美味しくてまた食べたいと思うようなものではなかった。いい経験だったかもしれない。とりあえず今晩を食事と宿にありつけた。