村上春樹シリーズ

イメージ 1 ノーベル賞候補になっている村上春樹の本を読んだことがなかったので、「海辺のカフカ」2冊、「1Q84」6冊、「ノルウェイの森」2冊の、合計10冊を読んでみました。
 長編小説なのですが、どれも面白くて一気に読めました。内容とは関係なのですが、「海辺のカフカ」の舞台は高松で、実家のすぐ近くの八栗の設定になっているようで、親近感も増します。
 共通して感じるのは、村上少年、青年の目線です。ノルウェイの森にある文章で、「充たされることのなかった、そしてこれからも充たされることのないであろう少年期の憧憬、焼けつかんばかりの無垢な憧れを、イメージ 2ずっと昔に置き忘れてしまっていたが、かつてそのようなものが存在していたことを想い出した。・・・」という言葉がテーマに感じました。そのような憧憬、小さいころから、もしくは若い時から引きずっているトラウマ、心のこだわり、それらはもう失われてどうしようもないもので、そこから卒業して、新しい世界に旅立っていかないといけないのだと、特に男の子は・・・。海辺のカフカ」と「ノルウェイの森」からはそのようなことを感じました。ただ「ノルウェイの森」では19歳の男の子が日中からアルコールとタバコに手を出します。喫茶店に入ったらまずビールを一杯、夜寝れないと持参のブランデーを一杯、誰かのところを訪問イメージ 3したら、喉を潤すためにまずビール、まるで中年のハードボイルドおじさんのようです。酒が弱いくせに慢性化した長年のストレス解消飲酒により、アルコール中毒気味だった私からしてもちょっとどうかなという学生像でした。
 「1Q84」は他の二作品の叶わぬ夢と違って、小さいころからの思いが実現するという結末で、私的にはハッピーエンドでした。でもこれから、新しい世界に二人で突入するというところは同じですが。
 とにかく、ど素人の印象で全くの勘違いかもしれませんが、ただ、世界中で多くの人が読んでいるという理由を少し理解できたような気がします。