やはり川湯温泉!

 泉質にこだわれば、北海道の川湯温泉が一番好きです。苦酢っぱくて硫黄のニオイがする、いかにも火山から噴き出した効きそうな泉質です。
温泉を水素イオン濃度(pH)で、酸性、中性、アルカリ性と分類した場合、濃度が小さくなればなるほど酸性が強くなり、2未満の温泉を強酸性泉といい、火山地帯に分布しています。ネットで適当に調べた濃さ(ph)の順位(いろんな表示があり正確ではありません)をざっとあげると、
玉川温泉 (秋田)1.05 … お尻の穴に激痛が走るほどの濃さです。
  https://blogs.yahoo.co.jp/crintreinorz/38011824.html
塚原温泉 (大分)1.4
蔵王温泉 (山形)1.46
草津温泉 (群馬)1.46
川原毛温泉(秋田)1.46
明礬温泉 (大分)1.7
酢ヶ湯温泉(青森)1.76 … 仙人風呂で有名な温泉で湯治もできます。.
  https://blogs.yahoo.co.jp/crintreinorz/38024718.html
川湯温泉(北海道)1.8
 もちろん一部の温泉にしか行っていませんが、登山しないと行けないような秘湯も行きました。https://blogs.yahoo.co.jp/crintreinorz/37989137.html?type=folderlist
湯治と言えば最高峰の玉川温泉では尻の穴が痛い思いもし、岐阜の新穂高平湯温泉十勝岳吹上温泉の露天風呂も圧巻の広さでした。https://blogs.yahoo.co.jp/crintreinorz/38023572.html
でも、泉質や北海道というロケーションも含めて川湯が今のところ一番好きです。
川湯のある旅館の説明文では、
・・・豊富な湯量と良質な泉質、川湯温泉は、硫黄・鉄・硫酸塩・塩化物を多量に含む、無色透明強酸味な酸性の強い温泉です。その泉質は草津温泉とやや同質で、川湯温泉の名声は古くから広く知られ、療養・湯治温泉として数多くの利用客に喜ばれてまいりました。大体40℃~65℃位の温度で当温泉は酸性が強く、石鹸の使用は出来ません。

泉質:酸性一含硫黄・鉄-アルミニウム・ナトリウムー硫酸塩・塩化物泉

禁忌症:急性疾患(特に熱のある場合)、悪性腫瘍、重い心臓病、呼吸不全、腎不全、出血性疾患、活動性の結核、高度の貧血、皮膚 粘膜の過敏な人 特に光線過敏症の人、高齢者の皮膚、乾燥症、その他一般に情勢進行中の疾患、妊娠中(特に初期と末斯)

適応症:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、 痔疾、うちみ、くじき、慢性消化器病、慢性皮膚病、病後回復期、健康増進、高血圧症、動脈硬化症、糖尿病、慢性婦人病、月経障害、冷え症、虚弱児童、きりきず、やけど

飲用禁忌症:下痢の時、腎臓病、高血圧症、その他一般にむくみのあるもの
飲用適応症:慢性消化器病、糖尿病、通風、慢性便秘、貧血、便秘

 釧路には関西空港からピーチエアラインが就航しています。閑散期だと片道5000円前後から飛べますが、関西空港の第二ターミナルまで行く必要があり、プレハブのような搭乗建物から狭い飛行機室内に気持ちで負けない必要があります。釧路空港では通常のウィングに着けますので不自由は感じませんが。
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 釧路空港から釧路駅まで空港連絡バスで1時間(940円)、さらに釧路駅から釧網線で1時間40分(1840円)、鈍行のんびり旅が好きでないと我慢できないかも。
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 川湯温泉はさびれています。
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 川湯温泉ではKKRかわゆが好きです。国民宿舎川湯パークとともに元公共宿舎なので安くてきれいですし、温泉の質は変わりありません。ここは内風呂に加えて、小奇麗な露天風呂があるのがいいのです。ここも閑散期にはネットから格安で宿泊できます。(例:朝食付きで一人5000円前後)
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 大浴場は建物の地下一階で、川湯の名前の通り泉源の川沿いに建てられています。く酸っぱいお湯は湯量豊富です。ちょうどBS放送で俳優の六角精児が川湯を訪れ、自分のバンドで歌っていた曲が頭に流れました。

♪六角精児バンド「お父さんが嘘をついた」
「・・・若いころからの、偏食がたたりぃ、尿酸値が異常に高ぁい、痛風になったようだ、医者からは食事療法を告げられるぅ、でぇもぉ・・・、・・・この頃、なんかのはずみで生活に余裕ができちゃったあ、飲み屋に行っても好きなものがあれこれ頼めるぅ、でぇもぅ・・・、高まる尿酸(♪尿酸)、できる結石(♪結石)、結石ぃが下りて(♪大トロ)、震える尿道(♪尿道)、冷や汗(♪あん肝)、激痛(♪豚バラ)、訪れる無力感、今日もおいらは何とか生きているぅ!~♪」

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 露天風呂も2メートル四方でちょうどいい広さで、いつまでもゆっくり入っていられる作りになっています。
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 室内は簡素で小奇麗ですが、隣の部屋の音が聞こえるのが残念でした。この値段なら仕方ないかも。北海道は寒いと思うかもしれませんが、このようにオイルヒーターがどこにも常設されており、窓の気密性も高いので、本州の冬よりむしろ快適です。
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 朝食は簡素ですが、私にはちょうどの量です。素泊まり料金などを比較すると、朝食付きで1000円アップ、夕食付きでさらに2000円アップのようなイメージですが、昼夕は温泉街の居酒屋や寿司屋を利用したほうがいろんな話も聞けて楽しいかもしれません。
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 川湯温泉の大相撲記念館(大鵬関を記念したもの)の横からは、泉源となっている硫黄山までの遊歩道が整備されています。
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 硫黄山までは2.3キロ、約30分ほどの散歩ですが、途中で東方に斜里岳も望め、本州では見られない景観です。
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 遊歩道は平たんで歩きやすく、つつじの密生している場所も通り、気持ちのいい散策となります。
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 硫黄山に着くと火山性の水蒸気が噴き出しており、これが川湯に伏流として流れて泉源になってるのです。もともとはここの硫黄をマッチや火薬の原料にと採掘し始めたのが始まりで、それから川湯温泉ができたそうです。火山性ガスが有毒でないので、真っ黄色に硫黄が噴出しているすぐそばまで立ち寄ることができます。ここから湧き出しているのが泉源なので、やはり温泉の効能は強くありそうに感じます。
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 30分ほど歩いて川湯温泉に戻ると、温泉街の中央交差点に足湯も整備されています。昔に比べて綺麗になりました。
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 しかし、この温泉来る目的はその中心のわきにひっそりと佇む川湯公衆浴場なのです。20年以上前からここに来ています。
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 入り口も脱衣所も悲しい気分になるほど寂れています。朝9時から夜20時まで(夏季は1時間ずつ早く遅い)で入浴料は現在250円、オーナーに聞くと、水曜休みで月26~27日営業で受付のおばさん人件費が3万くらい、浴場改修費用合わせて黒字ぎりぎりだそうです。単純に逆算するとおばあさんの人件費はせいぜい時給100円程度、閑散期の月の利用者120~200名くらいなのかもしれません。北海道大震災で停電した時も、近隣の旅館やホテルはポンプで汲み上げているので浴場が使えなくなったのに、ここはポンプで汲み上げていないのでお湯が途切れず、みんな入りに来たそうです。
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 一見、ひなびて死にたくなるような雰囲気かもしれませんが、この浴槽の造りが絶妙にいいのです。左には苦酸っぱい源泉がかけ流しで溢れており、これが熱い!そこに入って火照った体で、今度は右の人肌まで薄めた冷たくはないがぬるい浴槽で体を冷ますことができます。このぬるい浴槽は何時間でも浸かっていれるような絶妙な温度なのです。サウナで水風呂と交互に入るような感じでしょうか、いつまでも楽しめるのです。しかも泉質はかけ流しでとてもいい!全国いろいろな秘湯に行きましたが、ここが今のところダントツに好きです。
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川湯も北国ですから、雪が降るとこんな感じです。
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雪化粧すると公衆浴場も夢の中です。
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川湯ミュージアムセンターも中はあったかく、長い時間くつろげる空間がありました。
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 ここが公衆浴場のオーナーがいる土産物屋です。クマやアイヌ人形の彫り物があふれんばかりたくさん並んでいますが、まったく売れないそうです。店主のじいちゃんが言うには、もう日本中の人が一通り買ってしまったからだそうで、思わず笑いかけました。川湯温泉の中心街でもいくつかの大きなホテルが閉鎖されているようで、そのさびれ具合の話になると、これまでずっと摩周湖屈斜路湖などのおかげでお客さんが勝手に来てくれていて、努力しないでもよかったからこんなになってしまったと嘆いていました。タダで家を貸してもいいという人さえいるくらいだそうで、せっかくこれだけの資源に恵まれているのにもったいないなと思います。
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 土産物屋のじいちゃんがとても褒めていた店「香雪」で、謙虚な女性が主に「えんじゅの樹」を彫って作ったフクロウなどを売っています。しかし、中国人も私たちと同じようになかなか物を買わないので発想に一ひねり必要のようです。「えんじゅ」という樹は縁起がいいそうなので、それを売りにしたものを考えないと誰も買わないかもしれません。イメージ 20
 ここも土産物屋のじいちゃんから教えてもらった居酒屋です。
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 本州ではなかなか本物を食べられないので、900円台のホッケ炭火焼を頼みます。想像通り、脂がのってプリプリで美味しく、皮まで美味しく食べられました。空港などで一夜干しが1000円で売っていたので、普通なら1500円~2000円取られてもいい質です。
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 ほかに美味しい焼き魚は?と聞くと、サンマを焼いてくれました。500円台でしたが、これも本州にはないほど身が肥えてプリプリでした。もうこの2尾で腹一杯です。
寂れた街ですが、満月は綺麗に輝いています。
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 薄っすらと雪化粧した川湯温泉駅です。格安航空やネットの普及で、驚くほど安く日本の僻地に行けるようになりました。でも、まだまだ日本国内にいいところが放置されています。特に北海道は災害の風評被害で落ち込んでいますが、今はねらい目です。泉質にこだわる湯治という観点で見れば、埋もれた日本がまだまだたくさんありそうです。
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