1998年6月16日~18日「前鬼~弥山~大峰山上ヶ岳」

1998616日~18日「前鬼~弥山~大峰山上ヶ岳」(計23,660円)
616日(火)
12:03五位堂
12:32八木発 うどん710円、バス1,550
14:00杉の湯着
14:10発 バス1,200
15:35鬼口
 暗い山道を登り詰めると急に視界が開け、明るい台地に何棟かの印象のいい建物が現れた。
17:50前鬼宿坊(標高820m)素泊り4,000
18:20他に誰もいない30畳くらいのとても広くて清潔な宿坊を独り占めできてとても嬉しい。服を干して顔を洗い、布団を敷いてゆっくりする。最近食べ過ぎで腹も減っていないので、布団に座って菊正パックを取り出し、飲みながらくつろぐ。今日は快晴だし、外はまだ明るい。中の布団もとてもきれいで、こんなに静かできれいなら、人が少ない時にまたちょくちょく来てみたいと思う。何度か大峰に来ようとしたけれども、ついつい怠惰に過ごしてしまって、ようやく来ることができた。今回は会社自主廃業による転職と離婚という大きな転機で、とても複雑な心境だ。多くの人に迷惑をかけた。言い分はあってもこれで罪が無いとはまったく思っていない。これから先の展望も持てず、生きがいを何に見出していけばいいのか。今回の大峰登山で許されるほど安易には思っていないが、何か道が示されればとても有り難い。
19:20だんだん暗くなってきた。
21:05眼が冴えて眠れない。菊正パックをもう一つ取りだして飲んでしまっている。日頃の不規則な生活のせいだろうが、早く正常なリズムに戻さないといけない。外は真っ暗で、沢の音と部屋の中の時計のカチカチという音だけで、それ以外はまったく静かだ。マンションのように上の階の人の足音に悩まされることもない。こんなきれいな沢のある高台に住んで、山小屋の番人をしてみたい気になるが、これだけの小屋(宿坊)を買うには相当蓄財しないといけない。それと、もしやるのなら北海道で住みたい。釧網線緑駅徒歩3分の温泉付きの500500万円土地がいい。夏はそこで暮らして冬は暖かい海外に行けたら最高だ。しかし、その土地に適当ログハウスを造るとなると1000万円は必要だ。しばらく収入無く暮らすのなら1億円は貯金が欲しい。コツコツ貯めて45歳までには北海道での夢の丸太小屋生活を実現したい。そのためにも、ログハウスの建築技法や料理、園芸、農業、木工、陶芸、そして、どこに行っても通用するような仕事の延長でのスキルを身につけないといけない。料理と楽器はスタートしたので、次は大学院で証券分析や英語を学びたい。前向きに走っていけばとりあえずは孤独感からは解放されるだろうし、酒ばかり飲んで時間を浪費する愚も避けられよう。とにかくやれることはやっていこう。星が出ていてとても美しい。明日もこのようないい天気になってくれるだろうか。

617日(水)
4:56起床、快晴
5:35ラーメンを食べて出発する。とても気持ちのいい朝だ。
7:50太古の辻(標高1450m)とても見晴らしのいい開けた所で、ここから持経宿8.1km5時間、平治の宿9.7km6時間、玉置山29km16時間、本宮45km24時間と掲示されている。
8:15深仙の宿、小屋は汚いが5人は十分泊まれる。
9:40釈迦岳、頂上にお釈迦様の像がある。ハエが多い。仏生岳からはバテて、20分毎に休んで進んだ。
15:40八剣山(八経ヶ岳1944m)千日回峰か行者と出会う。
16:20弥山(1895m) ビール21,300円、素泊り4,000
 バテバテでもうこれ以上進むのは無理。弥山小屋でただ一人の自炊客となり、素泊りで4,000円、ビール21,300円を払う。ここが限界でもう一歩も歩けない。布団の上で眠れるし、水の心配もない。今日は10時間強も歩いたので、ここが経の限界だ。ビールをちびちび飲みながら、布団に寝転んで完全に寝る体制になっている。しかし本当に体力が無くなった。腹の周りに贅肉がたっぷり付いているが、スタミナの足を引っ張って何の役にも立たない。今日一日も汗をかいて脂肪を結構燃焼したと思うが、十分ではなかろう。足を動かすと左右が互い違いにツルし、起き上ると一日の荷物運びのせいか左肩もツリそうだ。最悪だ。よくここに小屋があってくれたものだ。孔雀岳を越えた頃から疲れ始め、楊枝小屋跡ではからり休息した。もうその頃からバテ始めていたのだ。そこから先はバテバテで、休もうとするとハエがたかってきて、煩くて休めずにイライラする。舟のタワからは本当に遠かった。確かにアップダウンは少なく、木々も時折顔を出す鹿が首の届く所までの葉を食べ尽くしているので、藪が無くて整然としている。落葉樹が多いので紅葉の頃はきれいだろう。しかし、今回は前鬼からのコースのために登り中心でけっこう疲れた。逆コースの方がいいのかもしれない。ビールを飲んでるうちにようやく落ち着いたので、御飯を炊き始めた。中華丼やお茶漬けなどで食べよう。インスタントラーメンよりは、やはり中華丼のような御飯が食べたい。日もだんだん暮れていく。山は確かにいいけれど、たいへん疲れる。そして体力もかなり落ちている。体重を落とした上でジョギングして体脂肪を取り、もっと軽く登れるようにしよう。それと、やたらめったらの登山も考えよう。これから3年間でいろんなことを学ばなければならない。
18:40中華丼とお茶漬け、お吸い物を食べて腹いっぱいになる。まだ外は明るいが、もう30分もしたら暗くなるだろう。電気は21時まで点いていて有り難い。持ってきたモーパッサン短編集でも読みながらゆっくり休もう。

618日(木)
4:37起床、ココアとお茶漬けを食べる。一晩寝ると少し元気が出てきた。ここまで来る機会もそんなにあるわけではないので、行者還の方を回ることにする。
5:20弥山小屋出発
6:40一ノ垰(小屋は崩壊している)
7:30行者還宿
11:30普賢岳1780m
12:40阿弥陀ヶ森(1680m
13:18小笹の宿(小屋も水もきれいで豊富)
16:30大峰橋入口 肉そば650
17:40洞川温泉(体重73kgに減量)入浴料510
18:30発 タクシー9,200
19:15下市口 ビール270
19:25発 近鉄270
20:40五位堂
 体重は5kg減少していた。