1995年10月14日~15日「本白根・戸隠」

19951014日~15日「本白根・戸隠」(計32,010円)
1014日(土)
5:45東所沢JR4,220
6:34大宮
7:26高崎そば・ビール650
8:56発バス1,550
9:56白根火山
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10:40本白根山2145m
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11:25白根火山発バス840
12:27鹿沢口ビール1,000円、タクシー5,850
イメージ 7     四阿山は思ったほど深い山ではなく、まわりを牧場に囲まれたとても整備された山田。鳥居峠からの林道はダケカンバが黄色に紅葉を始めていて、とても気分のいい林道だ。その終点から尾根に登る登山道も、岩や木の根っこがなく傾斜も適度ですごく歩き易い。
イメージ 9  道の両側には雑木が紅葉して理想的な山の道だ。尾根に出ると浅間山が良く見える。そこからも広い尾根を気持ちよく汗をかきながら登る。途中に休憩舎が二つあった。
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 登りきるまで結構たくさんの登山客に出会う。しばらく尾根をアップダウンし、右正面には目的の四阿山が見えている。分岐の所にもう一つ休憩舎があり、そこを越えると鞍部を通って急登となる。一歩一歩登っていくが、疲れの取れていないせいか、だんだんだるくなってくる。少し休んでみかんを食べる。水を汲んでないのでみかんで水分取るしかないのだが、酸っぱさが口の中に残った。しかしそれ以上休まずに、遠くに見える頂上目指して進んでいく。頂上の下方に辿り着いた時、妻恋清水の標識があり、荷物を置いて水をいっぱい汲みに行った。笹の歩きにくい中を下っていくが、水音が全く聞こえないので水が枯れていないか不安だった。しかし行ってみると、水がちょろちょろと湧き出ていた。タンクに汲んで一口飲んでみると、冷たくておいしい。少し元気を取り戻して、すぐそこの頂上に一気に登ってしまう。
15:2015:38四阿山頂上(2332m
イメージ 10    頂上には神様が二つ祀ってあり、手前の方は家族連れが休んでいたので奥の方に行き、今日の無事と晴天をお礼してから、家族の幸せと自分の行く先をお願いする。そして「祭り寿司」とリンゴを食べてお腹を膨らませる。力が入らなかったのは御飯を食べていなかったからだと認識する。快晴で正面に浅間山が見え、その右奥後方に八ヶ岳が雲の上に浮かび、さらにその遥か向こうに富士山が頭を出している。
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イメージ 13  下りで分岐をどちらに取るか迷うが、時間がないので四阿高原方面に下り、途中から山腹に沿って菅平牧場まで横断して下ることにした。笹の中を通って行き、少しすると岩の庭園のような所を延々と下っていく。とても整備されている。そしてまだ1700mくらいまでしか降りていないのに、道が広くなり、やがて牧場が開けて、その横に沿ってずっと下っていく。
イメージ 14  ところどころに牛のバカでかい糞があり、それを除けながら歩いて行く。岩がずっと多くて足がだるくなってくる。途中から真っすぐ降りずに右手に折れて、山腹をずっと横切って菅平に向かう。けっこう歩いた。途中のダケカンバの林が、北アルプスに沈もうとしている夕陽に真っ赤に照らされてほんとうに美しい。これもいつか絵に描いてみたいような風景だ。菅平牧場に行くと、牛舎に小さい牛が何頭か見える。北海道の牧場を想い出して懐かしい。菅平牧場に着いたら左に折れ、車道を真っすぐ下っていく。右手は別荘地になっている。日も沈んでだんだん暗くなってくる。どんどん下ってやっと菅平高原に着いたが、バス停がない。近くの酒屋で聞いたら5分ほど戻ったところにあった。もう真っ暗になって少し寒い。
17:50菅平高原
18:10発バス1,200
19:10上田着駅前の食堂でトンカツ定食・ビール1,200
上田市は私の好きな真田氏の本拠地だったところだ。今はもう真っ暗になり、駅前のイトーヨーカ堂に入って明日の食事を買い、街をうろうろする。サウナ兼カプセルホテルもあるので安心する。さらに街をぶらっと歩くと古くひなびた旅館があり、電話で宿泊を聞いてみた。しかし満室だった。安そうなので残念だ。その後、駅前の食堂に入って小ビールを飲んでトンカツ定食を食べる。今日はゆっくり寝て休み、明日の課題の高妻山に備えよう。これを乗り越えるとあとは楽なので頑張ろう。
カプセルホテル4,100円、弁当・パン・ビール1,320円、71.1kg

1015日(日)
5:10起床、朝5時の目覚ましで一度起こされるが、止めて、10分くらいウトウトした。そのままならまだ数時間寝てしまったかもしれない。しかしそうもしれおれないので起きて、荷物をまとめて服を着て、二階のロッカーに降りてコンタクトレンズを装着し、サウナを後にする。
5:47上田駅JR560
30分くらいの電車の中で、牛乳とパン、イナリに魚フライの弁当を食べる。急に腹を冷やしたのと飯を食べたので、長野に着いたらすぐにトイレに駆け込んだ。サウナを出る時には71.5kgくらいのはずだったから、これで70kgまで落ちたかもしれない。
6:18長野
コインロッカーにザックを残していく。バス停は駅の正面ではなく、左の通りの向こう側だった。ギリギリで走ってきたのでわからずにバスに乗り遅れてしまう。
6:58発バス1,500
バスは善光寺の周りを迂回して、お寺の裏から一気に坂を登って山の中に入っていく。背中がチクチクと痛い。疲れが取れていない証拠だ。そのうちに眠くなり、飯綱から戸隠まで眠ってしまってその間の景色を見逃してしまった。気が付いたら戸隠神社で、思ったより深い森の中で、見晴らしのいい高原ではなかった。
8:07戸隠キャンプ場
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イメージ 15    キャンプ場前の終点で降り、とことこと分かりづらい道を歩き出す。戸隠キャンプ場は広々としている上、至る所に炊事用の水場やトイレ、シャワー室もある。みんな車を乗り付けて、その横に大型のテントを設営し、そして食卓を出して、その上にフライシートも張っている。キャンプするにはいい場所だ。登山する方向の道がわかりにくいままキャンプ場を越えていくと牧場があり、そこに登山者カードや遭難者が多いからキオつけるようにという注意の掲示があった。そこからは牛やヤギ、チャボのいる牧場を抜けていく。途中で直進すべきところを道なりに行って間違うが、下山者が正面から降りてくるのを見て、戻って正しいルートを登っていく。高度はずんずん上がっていくが、深い谷になってくる。途中からは道も悪くなってきて、簡単な鎖場もある。何とかそこを抜けていくと一杯清水があった。水をいっぱい補給して150メートルほど上がると、一不動小屋に着いた。
イメージ 179:35一不動避難小屋
小屋はコンクリートでできているが、中には木の一段差の床があり、寒さを防げるし、泊まっても良さそうだ。しかし、休む間もなく高妻を目指す。軽く考えていたが、五地蔵山まで結構汗も出てたいへんだ。
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おじさんグループを抜き、高妻をぐるっと取り巻きながら見るような尾根を伝い、二、三度アップダウンを繰り返すが、つい近くに見えている高妻の取り付きになかなか到着しない。七観音、八薬師、九勢至を越えて、やっと笹に覆われた取り付きに着いた。先週登った白馬が近くに見え、逆側には妙高の突出した頂上が良く見える。先週はガスの中でこのような山容がよくわからなかった。さて、頂上目指してあと標高差200mを一気に登ろうと思ったが、バテた上に足が今日は異常にだるい。少しずつ、何とか休まずに一歩一歩上を目指す。もう少しの所で下山者たちに会い、もう95%は登っていてあと少しだから頑張れと励ましてくれる。そこから一歩ずつ登ってようやく平坦な所に出、しばらく進むと岩場になって、十阿弥陀像があった。いつものように登山の御礼と家族の幸せを祈り、もう少し進むと頂上に着いた。
イメージ 1911:4012:00高妻山2352m)
イメージ 20   岩の頂上におじさんやおばさんが十人くらいいる。天候は快晴で北アルプスのすべてから、ぐるっと雨飾、妙高まで見渡せる。またバテた。草津白根、四阿山と、比較的楽な山を登ってきた後なので、標高が同じくらいの高妻山を甘く見ていた。後立山連峰や雨飾から妙高などを見ながらリンゴを食べる。ミニクリームパンも食べる。アップダウンがきついのと、疲れが取れてないのかヘロヘロの状態だ。あともうひと踏ん張りして戻ろう。早々に戻り始めると、上りで追い抜いた人たちが「早いですね」と言ってすれ違って行く。そこから一不動まではやっぱり1時間半弱かかった。一不動小屋から少し登った所で出会ったおじさんとは巻機山の登山の時に同じ民宿に泊まって一緒に登った人だとわかる。最初はお互いにどこかで会ったことがある人だなあとしばらく考え、ああ巻機だと思いだし、肩を両手でたたいて喜んだ。
13:23一不動小屋
小屋で水を飲んで休憩し、そこを出発して真っすぐ降りていくが、戸隠山にも登って奥社にもお参りしたくて迂回する。
14:00九頭龍山
今までのアップダウンがかなりこたえたし、八方睨までも同様だろうからたいへんだろうと覚悟していたが、案外アップダウンも小さく、戸隠までも近かった。疲れてはいるけれども、一不動小屋から地図で2時間の行程を1時間で到達できた。高妻からの下りにある各菩薩様にお願いしながら来たのが功を奏して、このように簡単に感じるくらいで到達できたのかもしれない。
14:37戸隠山1904m)
イメージ 2114:44八方睨
イメージ 22  しかし、やはり事は簡単ではなく、八方睨からの下りはナイフブリッジの上を通り、その先も奥社まで急降下になっていた。ナイフブリッジはあまりに恐く、お兄ちゃんが絶叫して停滞している。その人がこちらに渡ってくるのを待ってから、高所恐怖症で普通なら引き返す私も後がなく、ゆっくりと進む。途中まで刃の上をまたがって進み、我慢して乗り越え、それから左下に迂回して何とかやり過ごせた。昔、八ヶ岳の横岳で恐くて引き返したことがあるが、今回はあまりにも遠すぎて引き返すことができない。その難所を何とか越えてからも鎖場の連続だ。慎重にやり過ごしていく。百間洞に着くとようやく尾根道になった。そこから1分間に標高20メートルの割合でどんどん下ると、思ったより早く戸隠神社に着いた。
多くの人たちが観光でお参りしている。頑張ってこちらに回って降りたので神社にお参りで来た。小深い神社を後にして、紅葉の中の山道をブラブラと延々2キロくらい歩いて行くと、まだたくさんの人がこちらに向かってきている。彼らは、この深い神社に来るだけで神秘的な気分を味わって秘境ムードに浸れているのかもしれないが、私はその遥か上の険しい尾根を伝って降りて来たのだ。その点では価値観や可能性をはるかに多く持てたような優越感を感じる。
16:14奥社入口ビール350
奥社入口のバス停には予定より1時間早いバスの発車の、ちょうど15分雨に着くことができた。時間が少しあるので、Tシャツや靴下を着替えて身軽にしてバスを待つ。
16:23発バス1,450
バスは10人くらいしか乗車していなかった。
17:33長野そば340
長野に着いてJRの切符を買い、信州そばを食べ、着替えて電車に乗る。
18:18発JR5,250円、ビール630
列車は自由席だったが運よく座れる。これも今日よく頑張った神様のご褒美かもしれない。今日は8時間登ったが、最初から足がだるかった。昨晩それほどビールを飲まなかったし、朝も牛乳しか飲んでいない。だけどもバスの中でもうすでに背中が痛かった。疲れの取れていない状態で出発して、四阿山の下りを暗くなる中、過激にあるいた上、その夜にサウナに入って余計消耗させたのが原因かもしれない。そんな状態でよく登ったものだと思う。今は足に膝とその上あたりが痛い。というかだるくて、どう足を組み替えてもだるさが酷くなって気になってゆっくり眠れない。こんなに消耗するまでほんとうによく頑張ったものだ。今日は大晴天で北アルプスも端から端までよく見えている。そちらに登った方がよかったとも思ってしまうが、これだけ最後にハードな登山が残っていたとは思いもよらなかった。これでもう長野以北と上信越百名山は達成した。あとは東北の蔵王、朝日さえ登れば、東京近郊では中央線の甲府から松本間近辺だけとなる。相当なペースで百名を登っているが、関東から転勤する前にできるだけ登っておきたい。
20:53東所沢