1995年8月19日(土)「魚沼駒ケ岳」

1995819()「魚沼駒ケ岳」(計19,930円)
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10:50東所沢JR6,280
昨晩は疲れていて起きられなかった。いろいろ迷ったが、平ヶ岳は時間的に無理だし、皇海山も時間的に明日がきついので、魚沼駒ケ岳に登ることにした。
JR浦佐ロッテリア750円、タクシー3,300
バスに乗り換えようとしたが、枝折峠を経由しないので、よく考えてタクシーで水無川を遡って入り、反対側のバス停に下った方がいいと判断した。10キロくらいなのでたいしたことはないと思っていたが、タクシー料金は3,300円もした。
13:10水無川登山口
イメージ 1 車道乗り入れ終点はキャンプ場になっている。そこでタクシーを降り、工事中の林道を歩いて行くと、アブが群がってくる。ハエのように見えたが、チクリと痛い。腹が立つがどうしようもない。その上、新しく買った重登山靴が慣れないためにとても痛くて、足首が大変なことになっている。林道を突き詰めて、最後の工事中の所を梯子で上り下りして、本来の登山道に入る。藪になっていて嫌な感じだ。まだ標高は600メートル弱なので、ここから1400メートルも登って行かなければならない。とりあえず惰性で歩いて行くが、太陽をまともに受けて、尾根を登り始めてからは滝のように汗をかいてビショビショになる。上越新幹線内の冷水を水筒に2ℓ汲んでいたが、あっという間に減っていく。標高はまだ上がらず、なかなか1000メートルのところまで達しない。汗びっしょりの上に、さらに太陽にまともに照らされ続けてフラフラになって、日射病にかかったような感じになってきた。本当に嫌になって、ギブアップして帰ろうかとも思う。具体的な標高や山なりの目的がはっきりしないので、ただ藪の中を登って高度を上げているだけに嫌になってくる。そんな辛い時は同時に世間の悪口ばかり考えて、自己正当化ばかりしている。情けない人間だと思う。悪口言ってはいけないと思いつつも、苦しいとついつい他人へストレスを向けてしまう。しかし、標高1600mの辺りでグシガハナが真近に見えてからは、そこまで登れば頂上への尾根になると思い、急に元気が出てくる。そうなると、帰ったら気になる女性にアタックしようとか、勉強しようとか、なぜか急に前向きになる。具体的な目標がはっきり見えてくると、こんなにも人間は変わるのか、不思議なものだ。
イメージ 2 さて、予定時間はとっくにオーバーしてグシガハナを出た時には既に18時近くになっていた。ただ、グシガハナに登って視界が開けると、今まであった霧も下方になり、青空と、中岳、駒が岳間の尾根が真近になる。
イメージ 3 風も涼しく感じ、今までの苦しい登りが嘘のように世界が変わる。ただゆっくりしてはいられない。残り僅かの水を少し含んで、写真も撮り、頂上へ向けて登る。
イメージ 4 太陽は地平線近くに沈もうとしている。新しい登山靴のために足が痛いので、ゆっくり登って行く。頂上近くに夕日を撮っている人が見えてきた。近づいていくと「ご苦労さん」と言ってくれた。あとでわかったのだが、小屋の人らしい。草はどこまで生えていたか聞かれるが、当初は何のことかわからずに、苦しかったと答えてしまった。その人が小屋に先導してくれるが、頂上への分岐で、私はザックを置いて頂上に行く。
18:37魚沼駒ケ岳山頂(標高2003m
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頂上では何人かの人が夕陽を見に上がっている。頂上で写真を撮って小屋に向かう。
19:36避難小屋使用料700
さっきのお兄さんに小屋使用料を支払って名前を記入し、外で食事を作ることにした。中ではもうみんな寝てしまっているので仕方がない。テントの人も外にいるので、その横で湯を沸かす。太陽が沈んでだんだん暗くなり、麓の街のネオンや夜空の星がきれいに見え始める。沸かした湯でコーヒーを飲み、そのあとラーメンを作り、食べ終わる頃にはもう真っ暗になった。下着を着替えて簡単に荷物を整理し、小屋に入って、二階の空いていた所に寝袋を出してこの記録をつけている。外で荷物を整理して置いてよかった。ここでゴソゴソとやっていたら煩いところだった。おまけにすぐ隣に毛布も積んであり心強い。枕として使えるし、寒くなればいつでも掛けることができるのだ。今日は途中で何度も止めて引き返そうかと思ったが、何とかここまでやってこれた。百名山を甘く見てはいけない。新しい靴を早く慣らして、あまり無理せず、焦らないで登るようにしよう。苦しくて消極的な時は人の悪口ばかり考えている。目標を真近に見据えて前向きに努力している時にはそのようなことは考えていない。目標しか眼中にない。消極的で後ろ向きなことばかり考えることが、もっとなくなるようにしたい。みんなの熱気で暖かく毛布は必要なかった。また、北岳山荘のような汗の酷い臭いも全くなく、夜10時過ぎまでは何度も目覚めたものの、朝までとても快適に眠れた。
 
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5:00山小屋のお兄さんが親切に日の出で起こしてくれる。
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 薄く朝靄の立ち込める山々の向こうの方に、太陽が出てくる。雲があったので薄く出始めたが、やがて真っ赤な太陽がだんだん大きくなり、山水画のような、霧のたなびく山々の向こうの日の出の、絵になるような情景となった。日の出に何度祈っても自分自身が変わらないと駄目であるが、まともな人間にならないといけない。しかし、苦労して登ってきてよかった。
5:44小屋発
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7:40小倉山 
靴ずれを我慢しながら少しずつ下って行く。日射しがきつくて汗をいっぱいかき、水筒の2ℓの水をまたほとんど飲んでしまう。
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11:1012:40駒の湯入浴料460円、ビール500
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 ラジウムらしい鉱泉にゆっくり入る。体重計に乗ると75kgだったのが70kgを指していて、体重計が壊れているのではないかと思ったくらいだ。凄い日射しの中で死ぬほど汗をかいて消耗したのだ。ツーリングで来ている親子やおばさんと、駒が岳の話をする。
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13:30浦佐JR5,560円、笹団子1,450円、ビール・そば930
15:50東所沢着
今回も本当に疲れた。足首を痛めただけでなく、左肩の筋肉もパンパンに張っている。結構ハードな登山だった。靴も履き慣れていないし、しばらく登山は辞めたいと思うくらいだ。しかし、登っていた時も百名山なんかもうどうでもいいやと思っていたが、下山後に落ち付いてみると、また百名山のリスト見ている。なんてことだ。靴が合わなかったのは問題だ。重登山靴に軽ソックスだったのも駄目だった理由かもしれない。とにかく靴の問題は解決しないといけない。