1995年9月2日~3日「皇海山・赤城山」

199592日~3日「皇海山赤城山(計15,450円)
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4:55東所沢パン410円JR1,590
7:06高崎弁当・ビール1,150
7:54桐生隣りのホームからわたらせ渓谷鉄道が出発
9:06通洞わたらせ渓谷鉄道1,000
9:28銀山平(標高850m)タクシー2,250
10:25一の鳥居(1050m
イメージ 1  一の鳥居と庚申山荘の間では、昔、山で遭難した男が娘を嫁にやることを条件に猿に助けてもらい、いざ無事に帰って娘にそのことを話すと、長女と次女は拒否したが、末の娘が約束を果たすために猿に嫁いでくれた。その娘に会いに男はたびたびその岩まで来ていたが、ある時、娘の姿が猿になっていて、親子は涙を流して分れたという伝説の残る岩がある。その辺りは本当に美しい雑木林で、紅葉の頃は凄いのだろうなと思った。
イメージ 211:2011:30庚申山荘(1500m)素泊り2,000
イメージ 3  庚申山荘から皇海山へは思った以上にいい感じだ。雑木林の中には伝説になったという猿がいっぱいいる。
イメージ 4

イメージ 5 六林班峠へはすごくかかった。途中からは一面クマザザに覆われていて、雑木林の下をモスグリーンの笹が敷き詰めて絨毯のようになっており、しれが太陽の光に照らされてキラキラと輝いて美しかった。斜面を見上げれば笹を下から光に透かして見上げるようになり、見下ろす光景とまた違う雰囲気が見られる。このような淡いグリーンの絨毯の中に白樺の木がたくさん立っているような、一瞬はっとするような風景だ。しかし、フィルムの残り枚数が少ないことに気がつく。もう山荘から10分以上登ってきているので取りに帰ることは諦めてそのまま進むが、いくつもの沢を越え、高度も1600mになってきて、峠にはもう着くかもう着くかと長い登山道を登って行くが、全く着かない。23人の下山者とすれ違うが、相当歩いて少し疲れ始めた頃、右手の斜面の上の方が開けて、笹に覆われた尾根が見えるようになった。南へ向かって登りになり、尾根に出たところが峠だった。途中で鹿にも出会う。
13:00六林班峠(1800m
 水を飲んで、チョコレートのキットカットを食べる。そこから鋸山や皇海山へは時間的にはもう近いはずだ。少し休んで、クマザザをかき分けて一気に台地を抜け、だんだん登りになって、少しアップダウンし、目の前に鋸山が見えてからは一気に登った。笹に覆われた最後の急登を一気に上ったところが鋸山だった。
13:50鋸山(1998m
イメージ 6  手前には庚申山への岐もあり、庚申山方面を見るとアップダウンがかなりある。こちらを経由して庚申山荘に帰るより、今まで通った六林班峠に下る方が登りがほとんどないようなので、帰りも同じ道を戻ることにした。ここから皇海山はすぐ近くに見える。一休みして一気に皇海山を目指す。鋸山からすぐ下に50メートルくらいロープを伝って急降下し、さらにその後尾根を50メートル下り、小さいピークを越えると、利根村方面への分岐に出る。そこからは笹に覆われた樹林の中を急登する。約250メートルくらいの登りでしんどいことはしんどいが、アルプスの標高差1000メートル以上の登りから考えたら何でもない。34人のおじさんとすれ違い、一気に誰もいない頂上付近に出た。そこから平坦な林の中をくねくねと進むと、庚申大神の碑があったので無事に登山できた御礼をし、その先に進むと頂上に着いた。
14:4014:52皇海山2144m
イメージ 7  百名山とは思えないくらい静かな山だ。狭い頂上で、誰もいないので妙に落ち着く。登る時間が遅かったせいもあるのか、途中10人くらいの人としかすれ違わなかった。明日の天気の悪さを予告するかのように西の方から雲が押し寄せてきている。かろうじて太陽が暑い雲の上から光を投げかけている。とても静かだ。パンを食べて水を飲み、時間が遅いので静かな山頂を後にする。ほんとうに静かで時間を忘れさせるような雰囲気で、去り難いものがある。しかし、少し雲が押し寄せて周りの山が見えなくなり不安になってくる。とりあえずゆっくり下ろう。
15:45鋸山の急登をヘロヘロで登り返す。来た時の記憶が薄れていて、案外時間がかかる。高度で目測をつけつつ、1840mくらいまで降りてきて平地のクマザザに覆われた場所を横切ると、またシカに出会う。すーっと逃げて離れてじっとこちらの様子をうかがっていた。それに手を振って別れを告げ、横を抜けて行って少し降りると峠に着いた。
イメージ 816:20六林班峠
もう一度水を飲み、靴の中に入った石を出して準備を整え、少し暗くなった道を庚申山荘目指して歩き始める。登る時には1時間半だったので下りは1時間で降りられるだろうとタカをくくっていたが、記憶にあるよりもたくさんの沢を越え、ずーっと巻き道を辿るので1650mくらいからまったく高度が落ちないのでだんだん嫌になってくる。確かにこのような景色も来る時にあったなとは思うが、思った以上にたくさんあり、登りと同じ時間かかってようやく庚申山荘に戻ってきた。
17:50庚申山荘へ戻る(6時間20分の山行)
小屋に戻ると、山荘の前に管理人がいて、登頂時間が早いと言われる。最後は膝が少し痛かったけれど、18時前に戻れて良かった。夕食はカレーと中華丼をごちゃ混ぜにして食べる。弁当も作るが、二合半でも多すぎる。一人の時は弁当も入れて二合で十分だ。奥白根から縦走しているおじさんと食堂でいろいろと話をした。道には印が付いていて、テントがあれば十分縦走できるそうだ。さらにこのおじさんは、六林班峠から向こうの道のないところを沢入まで下るそうだ。凄いおじさんだ。木曽駒の方ではUFOのような10メートル以上の光を見たと言うし、熊にも会ったことがあり、いろんな所に登っているみたいだ。しかしよく喋る。一歩的に喋るところは私に似ており、話のきっかけを作ると一方的に喋る。道のないところや人の行かない所を行くのにこのように話し好きなのは、やはり淋しいところがあるのかもしれない。私も似ているところがあるような気がして、反省しないといけないと感じた。明日は天気が悪ければ下山しよう。庚申山荘はシーズン外れのせいか人がおらず、今晩は一階の二部屋に一人ずつと、二階にまだ外でバーべQをやっている団体客とさきほどのUFOおじさん、それに管理人という少人数の宿泊者だ。庚申山荘はきれいな上、寝具は使い放題で、水は山荘の炊事場で取ることができ、静かでとても快適な山荘だ。これで2000円は安い。広い山荘に今回は泊まり客が七人しかおらず、私は1階の二部屋のうちの一つを独占して寝ることができた。夜中は疲れのせいか足が痺れてなかなか治まらずに寝苦しかったけれど、夜半は雨の音を聞きながら、雨なら明日は無理しないでもいいという安心感もあり、明け方はとてもよく眠れた。

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4:55起床
 どうせ雨だろうとタカをくくって、湯を沸かして昨晩作った御飯の残りでお茶漬けにして食べていたら、雨かと思ったが案外曇りで、向こうの方にはわずかではあるが朝焼けも見える。
5:38山荘出発、昨日のおじさんと一緒に下る。猿の多い渓谷を下って行き、林道を戻るが、その頃にはすっかり晴れてきた。
イメージ 96:18一の鳥居
途中に坑口跡などを通る。大正時代には1万2千人も住んでいて銀山平という名前も付いたのだろうが、今はひっそりとした谷だ。
10分差で電車が出てしまい悔しい思いをする。足尾銅山は今の観光口とは違って、逆の銀山平方面の小滝や、備前楯山の下辺りが本坑になっていたらしい。往時には賑わったようだが、今は誰もいなくてひっそりとして見る影もない。時代から取り残されたような悲しい雰囲気が漂っている。寂れた鉱山の町なのでこのような静けさも仕方がない。電車の時間が都合いいのがなく、一度通洞に戻る。わたらせ渓谷鉄道230円、ジュース110
9:30通洞わたらせ渓谷鉄道1,000
人気のない通洞駅から電車で気流に戻り、前橋に出る。10:48桐生着
10:56
11:24前橋着JR470円、ビール350円、そば300
11:50発バス往復3,000
赤城山へのバスには当初56人乗車していたが、みんな途中で降りてしまい、終点まで行ったのは私だけだった。
12:50赤城大洞
時間的に不可能かと思われたが、まずバスが15分早い12:50に着いたので、すぐに歩き始めた。ひなびたバス停を降りて、右手にロープウェイを見ながら、大沼に沿って登山口目指す。大きな道路を知らずに大回りしてしまったが、赤城神社の隣を通って登山口に入る。そこまでポツポツと雨が落ちてくるので、パーカーを羽織る。
13:15登山道
イメージ 10  標高差500メートルの登りを1時間で本当に登れるかどうか不安だったが、休まずに大汗をかきながら登る。途中で大人数とすれ違うのを待つ時、パーカーを脱いでザックにしまう。当初は木の間を登って行くが、樹林の中の岩を踏み越えて喘ぎ喘ぎ登ると分岐の尾根に出る。
イメージ 11 そこから頂上までの100メートルは、濡れた笹をかき分けて進んだのでジャージがビショビショになる。スウェットパンツを履いてびしょ濡れになったのが、そのまま滴り落ち、靴の中までびしょ濡れになる。次からはオーバーパンツを履いて、滴り落ちる水滴を外に逃げるようにしないといけない。岩をよじ登る急登で一気に高度を稼ぎ、45分で登り切り、高度計の通りきっちり1820mに登ったところが頂上だった。頂上には2グループの5人しかおらず、ガスで何も見えない上、寒いので、彼らも早々に引き揚げる。私はセルフタイマーで写真を撮り、すぐに駒が岳に向かう。
14:00黒檜山(標高1828m
イメージ 12そこからはガイドの通り歩きにくい木の階段で、要慮よくその上をひょこひょこ降りて行き、3人の家族連れを追い抜き、駒ケ岳でも二人連れの若者を抜いて行った。
14:30駒ケ岳(1658m
イメージ 13 ぐんぐん進むと、ガスの立ち込める山頂を抜け、前方に小沼などが見えるようになった。そこからも急降下してゆき、思ったよりも30分も早く道路に出てしまう。黒檜からしばらくは雲の中で、霧雨にも降られたが、駒が岳からはすっかり晴れた。
14:52登山口
15:15小沼登山口
少し考えるが、1時間もあればすぐそこに聳える地蔵岳に登れるだろうと思い、小沼めがけて直登していく。スキー場を登り、さらに道路に出ても、カーブを避けて直登できそうな沢を登るが、雨で湿った葉をかき分けたりくぐったりして登って行ったので、その雫でびちゃびちゃに濡れてしまう。さらに絶望的な藪に入ったので失敗したと思ったが、何となく前方に明かりが見え、そのまま突き進むと何とか林道に出ることができた。そしてすぐ近くからテレビ塔の立つ地蔵岳への登りが見えている。40分もあれば登れると登山地図には書いてあったが、とにかく先を急ぐ。今ではすっかり晴れて、地蔵岳への登りでは日射しがきついくらいだった。最後の登りをいつものようにヒイヒイ言いながら登ると、やがてなだらかになり、前方に見晴らしが見えてくる。本頂上はもっと高くて人もいるだろうと思っていたが、そこが頂上であっけなかった。しかし、見晴らし台に登った時、ちょうどロープウェイが着いて、どどっと人が降りてきて、さっきまで人気のなかった頂上には、はしゃぎまわる子供たちであふれかえる。
15:35地蔵岳頂上(赤城山1674m
イメージ 14  頂上では風が強いが、正面に先ほどまで登ってきた黒檜山から駒ケ岳の尾根が、ガスが晴れてすべて見られる。よくここまで登ってこれたものだと思い。お地蔵さんに手を合せ、早々にロープウェイの方に下って行く。登って来た時のように歩いて下ろうかとも思ったが、15分ごとに運行していて料金も安いのでロープウェイに乗ることにした。
イメージ 1515:45発ロープウェイ590
16:00赤城大洞ジュース150
ロープウェイとリフトで降りるが、売店は締まっており、バス乗り場近辺もすごく寂れている。トイレで着替えてバスに乗車して帰路に着いた。
16:35
今頃になって太陽が夕方の日射しをさんさんと照りつけ始めている。
17:35前橋着ビール300円、そば370
17:37発JR1,590
19:42浦和着
いやー、よく登った。登山後の体重は72kgまで落ちていた。天候の崩れそうな週末で、仕事のせいか目が疲れていて、こめかみがズキズキして痛いくらいだったので、今回もよく登った。土曜朝からわざわざ出てきてよかった。皇海山から庚申山荘、銀山平、わたらせ渓谷は思ったよりもとても良く、落葉樹の多い渓谷で紅葉の頃にはほんとうにきれいなのだろう。また、雪深いためか、木々の下には絨毯のような笹が生い茂っていて、モスグリーンに輝いていて、とてもいい景観だった。静かな言い山だ。昨年までは遠いところや深い山に行くのに抵抗があったが、今では近くの秩父に出掛けるような軽い気持ちで百名山に行くようになれた。今回は山荘できちんと御飯も炊けたし、登山でも魚沼駒ケ岳ほど汗をかかずに水もそれほど飲まずにさほどバテなかった。体重は減り、確かに腹周りもかなり絞れてきている。かなりの運動になって功を奏しているのかもしれない。晴天の続いた暑い夏が過ぎ、秋の気配が漂ってきている。本格的な紅葉シーズンまであと1カ月ある。それまでに会津や東北の百名山をできるだけ登っておき、秋は北アルプスや美ヶ原、妙高高原などを、今度は急がずにゆっくりと楽しみたい。昨日も皇海山に一気に登ったけれど、体力的にはかなり自信がついた。ピストンの場合は荷物をデポしてできるだけ空身で上がり、快速で往復する。ただ、寒さ対策をもう少し工夫して荷物をもっと少なくする必要はある。アルプス縦走のような何泊も要する時のためには必要だ。それを考えたらせいぜい12泊の登山は荷物の量もしれていて、気分的にかなり気楽ではある。